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『君の名は。』わたしの片割れ

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君の名は。

  

監督: 新海誠
キャスト: 神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、成田凌、悠木碧、島崎信長、石川界人、谷花音


公開: 2016年8月27日  観賞: 2016年8月27日

 

高校生の男女が入れ替わる。SFのような、「世にも奇妙」的な、まぁ少年マンガにも少女マンガにもよくある設定。

予告から受け取った情報はそんな程度。

そこに清々しくて可愛らしい青春ストーリーがあって、ちょっとスッキリさせてくれれば儲けものだよね…そんな風に思っていた。

甘かった…。

◆あらすじ
1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。(シネマトゥデイより引用)

 

田中将賀さんのキャラクターは好きだし、声を充てているのが神木くんと、『ちはやふる』でその声にホレた上白石萌音さんだというのが「観に行こうかな」と思った切っ掛け。

他はそれほど期待していなかった。

前半は「RADWIMPS」のPVみたいじゃないか、と思い、あ~思った通り男女が戸惑いながら入れ替わり生活に慣れていくんだな、と思い、「カワイイし、そこそこ面白いよね」と思った。

映像は三葉の住む伝統深い田舎町の自然や、この作品に重要な「空」、瀧くんが住む都心のよく見る風景も含め丁寧で美しい。

自分の居場所に不満を抱き、田舎に住む者は都会に憧れ田舎を持たない都会者は味わった事のない郷愁感に涙する…。

しかも、三葉の設定は珍しい立場。
土地に縛り付けられた身体が憧れと共に自分探し思春期真っ最中の瀧くんを呼び寄せ、お互いがいつの間にかお互いの「半分」になっていく。よく出来たストーリーだ。

慣れるの早すぎないなど不満もある。

けれども、そんな事はもうどうでもいいの。

だって、これは、選べなかった人生の話なのだから。

ここから先は何も読まず、できたらどこでもネタバレには一切触れずにこの作品を見てほしい。

日々を「喪失」することの意味と、再生を願って生き続ける私たち日本人が受け取るべきものが詰まった名作だから。

風化させてはならない。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 


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泣きっぱなしだった後半。

三葉は実は瀧くんに成りきってしまい、奥寺先輩に惚れてしまったから「失恋」なのかな、とか、失恋したから一切の連絡を絶ってしまったのかとか、そんな風に軽く見ていた。

まさか、命を失っているとは思わないから。
2人の入れ替わりに魔法の力を授けた「彗星」が、そんな素敵な物ではなくて多くの人の命を奪う大災害の塊りだったなんて思わないから。

三葉が瀧くんの生活を楽しんだように、瀧くんも三葉の友達を故郷を家族を愛しただろう。「自分の半分」を突然奪われる喪失感の大きさ。

アイデンティティを半分喪失したら、自分が生きていないように思えるのは当然で。

彗星の落下で町民と共に消えた飛騨の糸守町。
記憶から消えた「名前」を、覚えている限りのスケッチだけを頼りに探し当てる。口噛酒を納めた御神体へ辿り着く。

捻じ曲がっていた3年が、片割時(彼は誰時)の間だけ融合する…。

人間は本当は死んだ人になんか二度と会う事は出来ない。

だから、この作品の中で描かれているのは本当に大きな「願い」なのね。

あの災害で。亡くなった多くの命や、故郷や思い。

願いはそこへと届く。

道は全く違うけれども、『シン・ゴジラ』に通ずるものもある。

私たちは、風化してはならない願いを、今、振り返っているのだ。

出来すぎでもあり得なくても、ラストに向けての糸守町救済への流れを祈るように見た。

ラストシーンにまた泣いた。

時間も人も出会いも何もかもが「結び」。

もちろん「名前」も。


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『ミュージアム』カエル男ネタバレの刑

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ミュージアム

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監督: 大友啓史
キャスト: 小栗旬、尾野真千子、野村周平、五十嵐陽向、丸山智己、伊武雅刀、田畑智子、市川実日子、大森南朋、松重豊、妻夫木聡


公開: 2016年11月12日  観賞: 2016年10月31日(試写会)

 

ポスターまでキャスト名明かさず「カエル男」で通してたのに、どうして封切前にネタバレしちゃうのよ~~。

……と、思っていたけれども、これ、バラされなきゃカエルキャストが誰だか解らなかったかも(笑)いやぁ、本当に気持ち悪かったよ(誉めてます)

 

◆あらすじ
現場に謎のメモが残される猟奇殺人事件が矢継ぎ早に発生するが、その事件は雨が降る日のみ起こっていた。一連の事件の関連性を察知した沢村久志刑事(小栗旬)は、自分の妻子が狙われていることを知る。やがて、カエルのマスクをかぶったカエル男の存在が浮かび上がり、犯人に近づいていく沢村だったが、カエル男の仕組んだわなにはめられ窮地に陥り……。(シネマトゥデイより引用)


ネタバレ、と言えば、あのシーンもあのシーンも予告に入れないで欲しかったなぁ……。

衝撃度で言えば、あのシーンは初めてカエル男がバーーーンっと主人公標的で出てきた重要なシーンだし、あのシーンは主人公サイドのエピソードとしては初の不条理シーンなのに。「あのシーンあのシーン」言うなよって、あ、すいません(爆)
 ミュージアム1.jpg

って、ことで…甘いネタバレとしては、これで年齢指定がないって本当なのいいの前評判通りの和製『SE7EN』キャッチコピー通り。

はい。グロイです。

試写会場、お子さま連れがたくさんいらしてましたが、お子さまにはあまり見せない方が良いと思いますよ。(何より、ハ〇〇ー〇食べたくなくなります(笑))


公式サイトにガッツリ載ってる「5つの私刑」もネタバレじゃないんだろうか、と思いつつ、タイトルだけネタバレされていてもこれ以上ないほどの映像の破壊力。(だから。子連れダメだってば。)

この辺は「Seven」をご覧になった方ならば、みなさん「おお、よく出来ている」と思われるはず。

降り続く雨のうっとおしさ、異様な殺人鬼、主人公サイドに迫る狂気の正体、暗くて不気味なほど鮮明に残る映像美は『龍馬伝』『るろ剣』の大友監督真骨頂。

『別ノート』を観てから続けて試写会に入ったからというのもあるけれども、同じように人が理不尽に処分されていく中、とことん遺体の美しさと澱みないストーリー展開を繰り広げていく手腕に見入った。


前半は。

 

和製『Seven』か…と思われた前半の魅力が後半になるとちょっと失速し、終盤になると「キャッチコピー…ぇ…」と落ちてくる。

まぁ…そうだよね。
いや、期待していたわけじゃない(と思うんだけど)ここは、〇〇〇エンドが自然じゃね。と、つい思ってしまうのよ。これ以上書くと結末に触れるのでここには書かないでおく。

私は大友監督が描いてきた幕末感が好きで。

戦って戦ってたくさんの犠牲の上に今と未来がある。
戦った結果、上に立った者が決して正義なわけではなく。
理不尽なことの連続でも、それでもそこへ至る努力をした人たちは輝いていた。

大衆向けのエンタメ枠の中で、確かに現代へのメッセージを残してくれる。
過去作のそこが大好きだ。

けれども、この作品にはストンと落ちるメッセージがなかったのね。
むしろ…
ラストの方は疑問符だらけになってしまった。

もっとも、それは恐らく原作通りなのであって、原作を読めばそういう点も納得できるように描かれているのかもしれない。(だとしたら、映画は描き足りないことになる)

いや、サイコサスペンスとして、絵作りは素晴らしかったと思います。
個人的にストーリーは今ひとつ。

 

役者さんがとにかく素晴らしく、オノマチさんだからこの妻でもまだ許されるなぁと納得するシーンがたくさんあった。

そして、陽向くんね!!
この子が五十嵐陽向くんだから、親父、ちゃんとしやがれよ(怒)と思えるのだった。可愛いは正義すぎる。
 ミュージアム3.jpg

あとは、もちろんカエル男(もうネタバレしてるのにしつこく隠してあげている(笑))。引くわ~~(笑)引くほど素晴らしい。

 

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試写会から2週間。ハンバーグ、未だに作る気にも食べる気にもならなくて、どうしてくれる(爆)

5つの私刑

・ドッグフードの刑
・母の痛みを知りましょうの刑
・均等の愛の刑
・針千本のーますの刑
・ずっと美しくの刑

これが全部、ある死刑判決裁判の裁判員繋がりだったという展開は面白かった。


当然、容疑者の身内など関係者の犯行を疑うところを、自分の犯行だと認められなかった真犯人の復讐…つまり「私怨」。すなわち「私刑」と。
なんていう身勝手な…という話。
  ミュージアム2.jpg


最近のサスペンスではアルアルな流れだけれども、この展開も面白かった。ただ、遥に関してはねぇ…。ここでよぎるポスターのキャッチコピー…。

あなたは最悪のラストを期待する。

いや、期待してたわけじゃないけど、この流れなら最悪のラストになるのが自然じゃね……。

今までバンバン美しいご遺体を作っていたカエル男さんよ、どうしてここに来ていきなりまだるっこしい手順を踏みまくるんですか。

主人公だから主人公だけには流れ弾が当たらない、当たっても死なない法則(笑)

あんな首の作りものなんか冷蔵庫に入れちゃって馬鹿みたい…突然撃ち合いなんかになっちゃって意味解らないと思いつつ、陽向くんが生きてて良かった!!と、そこだけはホッとする複雑な気持ち(爆)

そして、もう一つの納得できないこの作品のメッセージ。

裁判員、やりたくねぇ……。

裁判員が狙われたというゆゆしき事態のこの結末。

これ、このまま終わったら、誰も裁判員やりたいと思わなくなるけれども、それでいいのだろうか。

あっ、この作品自体が「裁判員制度に反対する」目的で作られた作品なのかな。

そうならば、それはそれで正しい作り(そうなのか笑.gif)

 

事件自体は、それが切っ掛けで意外だったし面白かった。

けれども、ラスト近くに遥にインタビューするジャーナリストの下りね。

 

「あなたは自分の一票で冤罪死刑された人が出たのによく平気でいられますね」って…。

 

もう「裁判員なんか辞めようぜ」メッセージのダメ推し。

もしも責任を持って裁判に挑もうとかそういうメッセージなのだとしたら、それはそれで、もっとシッカリ描かないと…。

 

あとは、個人的には「仕事と私とどっちが大事」案件はあまり好きじゃないんですよね。働く事は罪なのか。

お父さんは働いてお金を持ってきてくれるだけで充分素晴らしい…と常々思ってる方です、はい。

しかも、特に浮気するわけでも借金するわけでもなく市民のために働いてくれている人に「父親失格」と言われても~。

 

だから私刑になりかけたんじゃんって話だが、最終的には「市民のために治安を守るお仕事よりも子供の運動会の方が大事だよ」って結末になっちゃったし。

 

でも、まぁ、陽向くんだからね。陽向くんがカエル男パート2にならないようにシッカリ育てるのは国民に対する義務。可愛いは正義すぎ……(結局そこ笑.gif)

 

 

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『オケ老人!』と「渡る世間は鬼ばかり」 VIVA敬老

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オケ老人!

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監督: 細川徹
キャスト: 杏、黒島結菜、坂口健太郎、左とん平、小松政夫、藤田弓子、石倉三郎、茅島成美、森下能幸、萩原利久、フィリップ・エマール、飛永翼、光石研、笹野高史


公開: 2016年11月11日  観賞: 2016年9月19日(試写会)

 
「敬老の日」にキャスト登壇完成披露試写会に行ってきた。これね。

檀上はとんでもなく平均年齢が高かったけれども、客席の方はお年寄りだけではなく、若者も沸いていた…招待ハガキには名前が入ってなかった坂口健太郎くんが来ていたから(爆)

私も来るとは知らなかったので、思わず沸いてしまった(笑)
いやあ、朝ドラなどで見ている印象よりも遥かに背が高くて逞しい雰囲気の若者だった。杏ちゃんよりもタッパがあるってだけで感動してしまった。

いや…
坂口くんを見に行ったわけではなくてよ。汗.gif

杏ちゃん、出産後の初仕事だという挨拶を聞いて、ちょっと嬉しくなってしまったわ。お母さんになったんだなぁ。

落ち着いてシッカリしていて、気取らない喋り。
クセモノ(いや、失礼、ベテラン)の大先輩方を立てつつ、柔らかく対応していく。
好感度高いなぁ。笑2.gif

◆あらすじ
バイオリンが趣味の数学教師の小山千鶴(杏)。梅が岡高校に赴任した彼女は、地元の文化会館でのアマチュアのオーケストラによる見事な演奏を耳にして入団を決意する。だが、彼女が入ったのは老人ばかりの梅が岡交響楽団で、文化会館で演奏していたのはエリート楽団として知られる梅が岡フィルハーモニーだったと知ってがく然。退団しようとするも、その後指揮者を務める羽目になり……。(シネマトゥデイより引用)


物語は「オケ育てます物」ではよくある展開だけれども、嫌な方向のベタは無いので安心して楽しめる。

ヒロインが何かを目指して奮闘する技能系ドラマ。
音楽もたっぷり聞けるし、とぼけた脚本も面白い。
何より杏ちゃんのコメディエンヌっぷりがずば抜けている。


以前から思っていたけれども、コロコロ変わる表情も大ぶりな仕草も、とてもコミック的。だから、コメディ系の物語にはすごくハマる。
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 手足が長いのも漫画っぽいんだよね。

自然体で絵になるのだから、これはもう賜りものだと思うのだった。 
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自分勝手で食わせ物だと思っていた年寄りたちと共にオケをやっている内に、人と合わせて生きる事の価値を学んでいくヒロイン成長物語。

『後妻業の女』を見た時にも老人応援のように感じたが(まぁ、あれはお薦めできる生きがいじゃないけど(笑))こっちはもっと正攻法で年寄りにやる気を起こさせる作品だと思った。

若者に対してよく「今じゃなきゃ出来ないことは今やっておけ」という説教を聞くけれども、それって実はどの年代にも当てはまる。

小学生の内にしかできない事、30代にやっておくと良い事、50代だからやっておきたいこと。70代だって。80代だって。人間、生きている内にしか出来ないことがいっぱいある。

お年寄りだからこそ、今、やっておきたいこと。

どんな年代だって、やりたい事があったらやればいい。
後悔も出来なくなったら、もう遅いのだから。

野々村さんの言葉が千鶴にそれを気づかせる。

いくつになったって、あきらめずにやり続ける何かを持っているのは幸せな事だ。きっと。


この敬老の日には夜、TBSドラマ『渡る世間は鬼ばかり』SPの放映があって。

子供が巣立ち、店も娘が切り盛りしてやる事がなくなった主人公が「やる事」を求めて右往左往する物語だった(笑)


プロデューサーの石井ふく子氏は90歳。脚本の橋田壽賀子先生は91歳。すごいコンビである。

もう引退すればいいのに、という声もあるけれども、どうだろう。

90過ぎても書けるなんて、書いて発表する場があるなんて素晴らしいことだと個人的には思うのだ。

何よりも、書くバイタリティがあることが素晴らしい。
引退なんてしなくていい。やりたいだけやっていただきたいと思うのだった。

こういう人たちの存在は元気を与えるじゃないか。
こんな凄い人たちがいるのだから、まだまだ私たち何もあきらめなくていいと思えるじゃないか。

老人が社会を元気にする…というのは間違っていないと思う。
誰もがいずれ進む道、の先には元気な未来が待っていてほしいから。

 

『オケ老人!』の人たちも、そんな元気をちょっと貰えるお年寄りたちだった。

感動の「威風堂々」に辿り着くまでのストーリーを笑いながら、ちょっとウルっとしながら楽しめる温かい1本。ぜひ


※このレビューにはネタバレ欄は特に設けません。

 

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『ボクの妻と結婚してください。』自分の終活、妻の婚活

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ボクの妻と結婚してください。

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監督: 三宅喜重
キャスト: 織田裕二、吉田羊、原田泰造、高島礼子、込江海翔、森カンナ、眞島秀和、佐藤ありさ、前川泰之、大塚千弘、小堺一機、大杉漣


公開: 2016年11月5日  観賞: 2016年10月19日(試写会)


原作小説→舞台→ドラマ化からの映画化である。
樋口卓治氏の原作は未読だが2015年に放映されたNHKBSドラマは視聴済み。
だから、大方のストーリーは把握しての観賞。一ツ橋ホール試写会。

正直、劇場で予告を見るたびに「えぇぇ~…」と思っていた。
だって、予告が、まんま…。いいのか、これは、と。笑.gif

◆あらすじ
バラエティー番組の放送作家・三村修治(織田裕二)は多忙な日々を送っていたある日、末期のすい臓がんで余命6か月と宣告されてしまう。ショックを受けながらも家族のため何ができるのか考えた彼は、自分の代わりに家族を支えてくれる人を見つけようする。そこで、以前一緒に仕事をしたことがあり、今は結婚相談所の社長である知多かおり(高島礼子)に、自分がこの世を去った後の妻の結婚相手を探してほしいと頼み……。(シネマトゥデイより引用)


それってネタバレじゃない
という話だが、予告自体がネタバレなのだから仕方ないよね。笑.gif

ずばり、キャストが心配でした。


上にも書いた通り、NHKBSドラマ版を視聴していたので話の流れは知っていての観賞。 だからどうしても比較してしまう。

が、不安視していた割には泣けたわ。…こういう話だから泣けないようならダメですもんね。

何を不安視していたのかと言うと、ずばりキャストである。
ファンの方はすいません。もちろん私も嫌いな方々なわけではない。

ただ、どうしても織田裕二は死にそうには見えないし、吉田羊さんは死後の心配をしてあげなきゃいけないような女には見えないのだった…逞しくシングルマザー街道をばく進しそう。汗.gif

ドラマ版はウッチャン(内村光良)と木村多江さんのカップルで、ほら…見なくても想像できる感じでしょう。死を宣告されてオタオタし、構成作家として笑いを求め、「いつも笑っていてほしい妻」にずっと笑顔を提供しようと思いつく様。

すでに当時のドラマレビューの方に「三村修治はウッチャンならではの役だ。」とか書いちゃってるもんね。不安になるのも解っていただけるだろうと。

結果、映画版は映画版で納得できた


観賞した結果、これはこれでいいのだと思った。

ゆーじが死にそうにないのは変わりないけれども、そういう部分を脳内から打ち払って見れば、見事に「織田裕二と吉田羊のドラマ」になっていた。

ドラマ版は全体的にファンタジーモードだったが、映画版は極めて現実的。 この2人の印象がそうさせているのだと思う。

設定自体は奇想天外な物なのだが、それを「現実」に見えるように持っていく。その結果、ちょっと変わった終活映画が出来上がるという面白い展開。

だからこそ泣ける、という方もいらっしゃるだろうし(現実に試写会場は嗚咽で溢れていた)、映画版しか見ていない方は恐らくドラマ版を見たら目が点になるんだろうなぁ…と冷静に思いつつ、私もすすり泣き程度にはウルっとしたのである。

同じ話でも印象がこうも変わるかと思うと、これはやはり両方見ないともったいない。映画を見た方は機会があったらぜひドラマ版もご覧になってみてください。

ドラマ版にあって、劇場版にないもの


連ドラ版には演出にちょっとカンに障る仕掛けがあって最初は脱落しそうだったのだけれど、最終回にその演出の意味を理解して泣くという…。

そういう意外性は映画版には無かったな~。

淡々と終活を追って行く作品になっていた。

驚いたのはドラマ版のラストに描かれた「ある形式の葬儀」がスパっと削られていたことである。

原作を読んでいないので解らないが、あれはドラマオリジナルの展開だったのかしら。

自分はこの作品の映画化が決定したと聞いた時、あのシーンをスクリーンでパーーッっと映し出すための映画化なのだろうと勝手に思い込んでいたのだけど。そこが見れなかった事は残念。

そう考えるとドラマ版は終末について葬儀や墓までトータルに考えさせてくれる凄い仕掛けだったのだなぁと改めて思う。

ドラマ版の見直し感想ばかりになってすいません。


劇場版の主要キャストは子役の込江海翔くんがとても良かったこの子がいるから泣けたのだというのが個人的に一番の感想。

あとは原田泰造の笑顔の安心感ね。
とても役に合っていた 。


泣かせ狙いの作品ではなく、人が人生の終わりにどう過ごし、どう「送られるか」を描いた優しい作品。

 
※これを読むと全体的にネタバレされるので、これから見る方は読まない方が。注意.gif

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夫は自分の死後の妻と息子のサポートを考え尽くして満足して死んでいく。
妻は再婚すると夫に信じさせて安心して逝かせてあげる。

夫が立てた企画が結果的には妻の企画に早変わり、という夫婦思いやりのお話。

伊東さんは今後どうなるのか解らないけれども、きっとこれきりにはならず、三村親子とは良い友人関係を築いていくだろう。

「結婚」という形では無くても、修治は良い繋がりを彩子に残していってくれた。

これも、人徳。

ドラマ版放映中、私の父は末期のガンで、修治のような素敵な人格では無かったので色々とモヤモヤするものを残して逝ってくれた。


人間の最期って、本当にその人の生きてきた人徳や性質の全てが表れる物だとつくづく思う。生きてきた形が最期の形。

幸せに逝くことも、幸せを残して逝くことも、全部周りから与えられるのではなく自分次第。

考えさせられる1本になった。

 

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『この世界の片隅に』 傘を一本持てきたか

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この世界の片隅に

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監督: 片渕須直
キャスト: のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世、牛山茂、新谷真弓、渋谷天外


公開: 2016年11月12日  劇場観賞: 2016年11月15日


ちょうど、これを観た日、NHK朝ドラの中に「あなたは淡々としていればいい」というセリフがあって。

ああ、いいね。「淡々と」した暮らしを目指したい。と思っていたところ。

ただ淡々とした暮らしを前向きに送っていた人たちの、送ろうとしていた人たちの、送りたかった時代の人たちの物語を見た。

◆あらすじ
1944年広島。18歳のすずは、顔も見たことのない若者と結婚し、生まれ育った江波から20キロメートル離れた呉へとやって来る。それまで得意な絵を描いてばかりだった彼女は、一転して一家を支える主婦に。創意工夫を凝らしながら食糧難を乗り越え、毎日の食卓を作り出す。やがて戦争は激しくなり、日本海軍の要となっている呉はアメリカ軍によるすさまじい空襲にさらされ、数多くの軍艦が燃え上がり、町並みも破壊されていく。そんな状況でも懸命に生きていくすずだったが、ついに1945年8月を迎える。(シネマトゥデイより引用)

 
原作は、こうの史代氏の同名漫画。未読。

もしかしたら太平洋戦時中の市井の人を描いた物語の中では最高峰かも知れない。

もっとも映画では(戦争ドラマでも)戦時中の暮らしがただ描かれた作品はそう多くないので、必然的に戦前戦後背景ベースが多いNHK朝の連続テレビ小説の数々が頭に浮かぶ。

主役のすずさんの中の人も、かつて朝ドラ『あまちゃん』の中の人だった。(その作品は現代ベースなので太平洋戦争は描かれていない)

広島から見知らぬ呉の家へ嫁ぐも、持ち前のフワフワした天然さで前向きに家事に勤しむヒロイン。 配給の少ない中、工夫して作る料理。 着物をバラしてして作るモンペスーツ。  

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生活の知恵、遠く嫁入った寂しさ、性格のきつい義姉、可愛い姪…… 前半はそんな朝ドラ要素満載である。 (そして、あのドラマでもこういう風に料理を描いてほしかったんだよねとか、お洒落モンペお洒落モンペとか、1人脳内で朝ドラ比較をするのだった笑2.gif)

「傘を1本持てきたか」「はい。」「さしてもいいか」

嫁入り前に「傘を持ってきたかと聞かれたら「はい」と答えなさい」と祖母から言われる すずさん。

そんな古風な言葉の風習と共に、見知らぬ土地に嫁ぐ、昭和初期の時代。

何だか良いよね。いや、よく知らない相手と結婚なんて今なら考えられないけれども、そういう時代がきちんと描かれていることがいいよね。

傘を「さす」のだから、考えてみれば直球よね…(ぃぃゃ…汗.gif)

先に起こる悲劇を考えると…

原作は未読だが「広島」が舞台ならば先に何が起こるか見る方も解っているわけである。

物語はすずさんの嫁としての悩みや複雑な恋心という心情ドラマとささやかな暮らしぶりが描かれるが、時は刻まれ次第に空襲映像が増えていく。

この空襲映像が圧巻であった。

綺麗で、そして恐ろしい。

この物語、別にアニメじゃなくて実写ドラマでいいんじゃないと思われる平凡な一家が題材になっているわけだが、この映像表現にアニメである意味が大いにあるのだ。

実写で描けば、ただ、凄いね酷いね、で終わってしまう空襲。
すずさんが絵描き人だからこそ広がるイメージ。

花火のように美しく現実味のない中で逃げ惑う。身の上に起きている事が信じられなかっただろう彼らの日常も、やがて否応なく戦火巻きこまれていく。そこからまたガラッと変わっていく色のない世界。

アニメーションだからこそ表現し得た登場人物の内面世界が描かれる。こんな空襲表現は初めて見た。

日付で表示される「その日」が近付く足音。

晴美さんと見る軍艦

 高台から晴美さんと軍港を見るシーンはこの作品の中で切なく痛く心に残る。
指さしては すずさんに説明していた軍艦好きの晴美さん。

「飛鷹」「隼鷹」「利根」「日向」「大和」そして「青葉」…。
沈没した艦もあれば大破した艦もある。

呉は軍港を持つがゆえに激しい空襲に遭った。
でも、そこで暮らす人たちはそれを受け入れていたんだね。

艦たちにとって呉は家だったから。
帰る場所だったから。そこで生きる人たちと同じだったから。

それ故に、玉音放送を聞くそれぞれの思いが、ただ辛い。

大破した「青葉」には、すずさんの想いを絡ませた複雑な事情もあった。
ラストに昇華されるその表現も素敵だった。


実は実写ドラマ化されてました(2011年・日本テレビ系列)

いや…全く覚えていなかったのだが、中盤の水原のシーンで「あれ何か知ってるこの話」と思い、ラストのとあるシーンでも「何か見た事ある気がする」と思い…。

帰宅してGoogleって解った。ドラマ化された物を見ていたのだった。2011年。

北川景子が すずさんだったらしい。(主役すらも忘れてた(笑))

  

 

ドラマのレビューも上がっておらず、ツイートしながら見ていた気がするがそのログも残っておらず、とにかく今ひとつなドラマだったという以外は全く記憶の彼方。

ただ終盤の下りがあまりにも唐突で意味が解らずモヤっと終わった記憶だけはあるので、この映画のおかげで何となく解決して良かった(笑)(そこに関しては後ほど のネタバレ欄で)


うん…
そう考えると実写も難しいという話なのかも知れず、ここまで豊かにこの世界を表現できたこのアニメスタッフはやはり素晴らしい。

能年玲奈さんが「のん」さんになっての初仕事

「のん」さん初仕事、ですよね(たぶん)。

実は、この作品、Twitterではそういう方向で盛り上がっている方も多かったので、個人的にはちょっと引いた目で見ていた。

当方は『あまちゃん』の大ファンだし、この人も達者な女優だと思っていた。もちろん嫌いではない。

けれども、中の人応援で盛り上がられると作品がいいのか彼女の復帰作だから騒がれているのかサッパリ解らなくなる。プライベートで何があろうが役者は役者であって、そっちの話題が先行するのはあまり好きではない。

元々アニメの中の人は、見た後にEDで「えっ、あの人だったの!?うわぁ気づかなかったぁ…」と驚かせてもらえるくらいが一番望ましい…というのが個人的な好み。

おかげさまで、冒頭しばらく彼女の顔ばかりチラついて集中できずにいたんですよね。もったいなかった(笑)

しかし、結果、この作品の のんさんは素晴らしかった。本当に素晴らしかった。恐らく知らなければ気づかずに見ていたと思うので、EDで名前を見てビックリしたかったです。笑.gif

日本昔話の市原悦子さんのようにフワッとした語り口。 これがコトリンゴの楽曲、そしてふんわりした絵柄と相まって全体を柔らかく包み広げる世界を造り上げていた。

『あまちゃん』の時にも役に入ると化ける人なんだなぁと思ってはいたが、本当に凄い人だったわ。

で、一度見て安心したので、今度は引っかかりなく2度目を観ようと思います。笑2.gif


声優さんたちもそうだが、映像表現、言葉、時世を描くための取材力、全て、近年作られる戦争映画の中で一番のリアリティを持って迫ってくる物があった。

アニメなのに…と思われる方もいらっしゃるだろうけれども、実写じゃ出来ない世界がアニメだと作れるのね。ファンタジーの中に散りばめられたリアルが恐怖と悲しみを訴えかけてくる。

この人たちが前を向いて暮らし続けた歴史の上に今の私たちがあるんだ 。
そう思えた。

キャラクターデザイン含め、色合いから演出まで、あまり好き嫌いを考えなくて済む可愛い作画。 恐らくアニメを敬遠し勝ちな人も取っつきやすいと思われる。

もちろん、明るくほのぼの…
だけのアニメではない。

けれども、これを観たら誰でも考えると思う。
淡々と生きていくことの大切さ。
生きていけることのありがたさ。

ぜひ。 


ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 


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すずさんが広島の街をスケッチする…
そのシーンから、もう切ない。

だって、これが失くなってしまう事は誰でも知っているからさ。

けれども、これをスケッチしていたその右手を失くすとは思わなかった。

しかも、可愛い晴美さんが持って行ってしまうとは思わなかった。

玉音放送に怒りと悲しみを隠しきれず地面に伏せて慟哭する。

最後の1人まで戦うんじゃなかったんかね!!

晴美の名を呼びながら泣く径子。
貰い泣いたわ。ずっと泣く事も忘れて生きて憎んで、逃げるのに精一杯だったんだもんね。

近年の朝ドラでは、玉音放送後は「やっと終わったわねーーふぅ」的な反応が型になっていて、負けて悔しいとか悲しいとか言って泣きわめくヒロインはほぼいない。(やっちゃいけない掟でもあるのか)

この人たちも戦っていたのだと。
まさに耐え難きを耐え忍びがたきを忍び、それでも国のためと信じて踏ん張る事で生きていたのだと。納得できるシーンだった。

戦に負けて。
「人殺しである」という思いを背負い、腕を失くして家族の世話になり、それでも生きて行かなくてはならなくて。

そこからも、暮らしは淡々と始まる。

広島の家族は死んだ。
大切な妹だけがかろうじて生き残った。

兄は骨も残らなかった。
だから、きっと死んでない。

確実に残ったのは、呉の家族と夫の愛。

生きていかなければ暴力に屈したことになる。
だから、暮らしを紡ぎ続けていく。

失った子供の代わりに、広島で新しい命を拾った。
みんなで生きていくんだね。

上に書いた実写ドラマ版では、広島のこの女の子(芦田愛菜ちゃんだったのね)の登場がものすごく唐突で。

いつの間にか広島のベンチで横に居て、いつの間にか呉に居るんだよね。
下手したら妄想なのかと思うくらい。笑.gif

たぶん拾ったんだろうとは思ったものの最後まで意味解らず終わったので、この映画でどういう子なのか理解できて良かったわ(笑)


この子はこの物語の未来を描く重要な存在じゃないか。

おそらく、すずさんと周作さんには子供が出来ず、この子は2人の未来を繋ぐのだろう。径子さんにとっては晴美さんの代りに生きる希望となるだろう。

それは血の繋がりではなく。
淡々と普通の暮らしを紡いでいくことが未来へ繋がるんだ。

ふんわりした絵で。
柔らかい言葉で。
強い意志を訴えかけてくる。

この世界の片隅で
素敵な作品と出会えて良かった。

『この世界の片隅に』公式サイト

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2016年に見た日本公開映画を全部ベストランキングしてみた(日本映画篇)

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ものすごく今さらで、今年は(もう今年じゃないし)止めようかとも思ったのですが、何だかブログ的に閉まらないので今さら2016年度のベストを出してみた。邦画篇です。

   cinema.jpg


まずは、今さらスイマセンが日本インターネット映画大賞への投票フォーマットから。(今さらばっか(笑))

日本映画部門投票

  [作品賞投票ルール(抄)]
■選出作品は3作品以上5作品まで
■選出作品は2015年1月~2016年12月公開作品
■1回の鑑賞料金(通常、3D作品、4DX作品、字幕、オムニバス等)で1作品
■持ち点合計は15点
■順位で決める場合は1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点を基礎点
■作品数で選ぶ場合は3作品各5点、4作品各3.75点、5作品各3点
■自由に点数を付ける場合は1点単位(小数点は無効)とし1作品最大点数は10点まで可能
■各部門賞に投票できるのは個人のみ
■ニューフェイスブレイク賞は男優か女優個人のみ
■音楽賞は作品名で投票
■私(ユーザー名)が選ぶ○×賞は日本映画外国映画は問いません
■日本映画の作品賞もしくは外国映画の作品賞に3作品以上の投票を有効票
■以上のルール満たさない場合は賞の一部を無効
-----------------------------------------------------------------

日本映画

【作品賞】(3本以上5本まで)順位(点数記入なし)
1位  「シン・ゴジラ」    点
2位  「君の名は。」    点
3位  「怒り」    点
4位  「永い言い訳」    点
5位  「ちはやふる 上の句」    点
【監督賞】
 [庵野秀明]
【最優秀男優賞】
[三浦友和]
【最優秀女優賞】
[広瀬すず] 

【ニューフェイスブレイク賞】
 [織田梨沙]
【音楽賞】
「ちはやふる 上の句」
-----------------------------------------------------------------

この内容(以下の投票を含む)をWEBに転載することに同意する。

以上

-----------------------------------------------------------------

では。
以下は2016年劇場公開された日本映画の全部ランキングです。
(あ、もちろん観た分だけです)

あくまでも一個人ブログの私感であり、ただのイベントです。
ご了解くださいませ。

レビューが遅れまくり(あるいはサボリまくり)で申し訳ありません。笑.gif


2016年(2015年12月分含む)・劇場公開あるいは制作された映画ランキング


(★はリンク先にレビューがあります。☆は未レビューです。)

・日本映画(50本)

1 ☆シン・ゴジラ
 

2 君の名は。
 

3 ☆怒り
 

4 ☆永い言い訳
 

5 ちはやふる 上の句
 

6 葛城事件
 

7 この世界の片隅に
 

8 ☆何者
9 日本で一番悪い奴ら
10 ☆ディストラクション・ベイビーズ

11 ☆海よりもまだ深く
12 ☆後妻業の女
13 ★残穢 住んではいけない部屋
14 ★アイアムアヒーロー
15 ☆ちはやふる 下の句
16 ★ヒメアノ~ル
17 ★家族はつらいよ
18 ☆湯を沸かすほどの熱い愛
19 ☆太陽の蓋
20 ★二重生活

21 ★クリーピー 偽りの隣人
22 ★64 ロクヨン 前編
23 ☆モヒカン故郷に帰る
24 ☆続・深夜食堂
25 ☆海賊とよばれた男
26 ★TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ
27 ☆ピンクとグレー
28 ☆殿、利息でござる!
29 ★ミュージアム
30 ★星ガ丘ワンダーランド

31 ★オケ老人!
32 ☆超高速!参勤交代 リターンズ
33 ☆闇金ウシジマくん Part3
34 ☆闇金ウシジマくん ザ・ファイナル
35 ★僕だけがいない街
36 ★64 ロクヨン 後編
37 ★あやしい彼女
38 ★ボクの妻と結婚してください。
39 ☆少女
40 ☆土竜の唄 香港狂騒曲

41 ☆ぼくのおじさん
42 ☆十字架
43 ★信長協奏曲
44 ☆疾風ロンド
45 ★エヴェレスト  神々の山嶺
46 ☆デスノート Light up the NEW world
47 ★貞子vs伽椰子
48 ☆秘密 THE TOP SECRET
49 ☆ライチ☆光クラブ
50 ★のぞきめ


おまけ 2015年以前公開のDVD・テレビ観賞映画


(リストのみです。ランキングはしません)

・日本映画(8本)

☆ラブ&ピース(3.5/★★★★★)
☆明烏 あけがらす(3/★★★★★)
★この国の空(3/★★★★★)
☆百円の恋(4/★★★★★)
★合葬(3.5/★★★★★)
★罪の余白(2.5/★★★★★)
☆野火(4/★★★★★)
★ディアーディアー(3.5/★★★★★)

 

合葬 [ 柳楽優弥 ]
価格:3693円(税込、送料無料)


 

 

ディアーディアー [ 中村ゆり ]
価格:4104円(税込、送料無料)


 


(計: 58本)

雑感

正直、18から下は5段階だと3.5くらいから緩やかに下っていく…という感じで大きく点差があるわけではないです。

2016年度は邦画は本当に素晴らしいものが多くて、35位くらいまでは他の年ならベスト10に入るのでは…と思うくらいです。

その中で「ゴジラにも特撮映画にも特に思い入れはねぇよ」という気持ちを「観てみたら実はゴジラのためのゴジラ映画じゃなかったーー!!」という意外性ではね除けた「シン・ゴジラ」

と、「高校生の入れ替わり萌えとかどうでもええわ」という気持ちを「ただの恋愛萌えアニメじゃなかったーーー!!」という意外性ではね除けた「君の名は。」

この2本は大好き。この2本と「ちはや」が今年劇場でリピートした邦画でした。


に…2017年の目標は出来る限りレビューをUPすることですっ!
今年もよろしくお願い致します~

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2016年に見た日本公開映画を全部ベストランキングしてみた(外国語映画篇)

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ものすごく今さらで、今年は(もう今年じゃないし)止めようかとも思ったのですが、何だかブログ的に閉まらないので今さら2016年度のベストを出してみた。外国語映画(洋画など)篇です。

  cinema.jpg

まずは、今さらスイマセンが日本インターネット映画大賞への投票フォーマットから。

外国語映画部門投票



[作品賞投票ルール(抄)]

■選出作品は3作品以上5作品まで
■選出作品は2015年1月~2016年12月公開作品
■1回の鑑賞料金(通常、3D作品、4DX作品、字幕、オムニバス等)で1作品
■持ち点合計は15点
■順位で決める場合は1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点を基礎点
■作品数で選ぶ場合は3作品各5点、4作品各3.75点、5作品各3点
■自由に点数を付ける場合は1点単位(小数点は無効)とし1作品最大点数は10点まで可能
■各部門賞に投票できるのは個人のみ
■ニューフェイスブレイク賞は男優か女優個人のみ
■音楽賞は作品名で投票
■私(ユーザー名)が選ぶ○×賞は日本映画外国映画は問いません
■日本映画の作品賞もしくは外国映画の作品賞に3作品以上の投票を有効票
■以上のルール満たさない場合は賞の一部を無効
-----------------------------------------------------------------

外国語映画

【作品賞】(3本以上5本まで)順位(点数記入なし)
1位  「リリーのすべて」    点
2位  「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」    点
3位  「サウルの息子」    点
4位  「レヴェナント 蘇えりし者」    点
5位  「PK」    点

【監督賞】
[トム・フーパー]

【最優秀男優賞】
[エディ・レッドメイン]

【最優秀女優賞】
[アヌシュカ・シャルマ]

【ニューフェイスブレイク賞】
[ジェイコブ・トレンブレイ]

【音楽賞】
「リリーのすべて」

-----------------------------------------------------------------

この内容(以下の投票を含む)をWEBに転載することに同意する。

以上

-----------------------------------------------------------------

 

 

では。
以下は2016年劇場公開された外国語映画の全部ランキングです。
(あ、もちろん観た分だけです)

あくまでも一個人ブログの私感であり、ただのイベントです。
ご了解くださいませ。

レビューが遅れまくり(あるいはサボリまくり)で申し訳ありません。笑.gif

 

2016年(2015年12月分含む)・劇場公開あるいは制作された映画ランキング

(★はリンク先にレビューがあります。☆は未レビューです。)

・外国語映画(39本)

1 ☆リリーのすべて
 

2 ☆ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
 

3 サウルの息子
 

4 ☆レヴェナント 蘇えりし者
 

5 ☆PK

6 ☆オデッセイ
7 ☆帰ってきたヒトラー
8 ★ルーム
9 ☆ボーダーライン
10 ☆ハドソン川の奇跡

11 ☆スポットライト 世紀のスクープ
12 ☆ブリッジ・オブ・スパイ
13 ★アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち
14 ★マネー・ショート 華麗なる大逆転
16 ☆アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
17 ☆ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
18 ★カルテル・ランド
19 ☆ドリーム ホーム 99%を操る男たち
20 ☆王の運命 歴史を変えた八日間

21 ☆消えた声が、その名を呼ぶ
22 ☆最愛の子
23 ★マジカル・ガール
24 ☆殺されたミンジュ
25 ☆グランドフィナーレ
26 ☆ロブスター
27 ☆ダゲレオタイプの女
28 ☆インフェルノ
29 ☆ブラック・スキャンダル
30 ★ターザン:REBORN

31 ☆パレス・ダウン
32 ★アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅
33 ☆京城学校 消えた少女たち
34 ☆ザ・ボーイ 人形少年の館
35 ★マネーモンスター
36 ★死霊館 エンフィールド事件
37 ☆ブレア・ウィッチ
38 ☆ザ・ハロウ 侵蝕
39 ★グッドナイト・マミー
40 ★ザ・ブリザード

おまけ 2015年以前公開のDVD・テレビ観賞映画


(リストのみです。ランキングはしません)

・外国語映画(13本)

☆真夜中のゆりかご(3/★★★★★)
★共犯(4/★★★★★)
★あの日のように抱きしめて(4/★★★★★)
★ふたつの名前を持つ少年(3/★★★★★)
★追憶と、踊りながら(3/★★★★★)
☆光州5・18(3/★★★★★)
★顔のないヒトラーたち(3.5/★★★★★)
クリムゾン・ピーク(3.1/★★★★★)
凍える牙(3.0/★★★★★)
フッテージ デス・スパイラル(3.1/★★★★★)
奴が嘲笑う(2.9/★★★★★)
笛を吹く男(3.1/★★★★★)
フューリー(3.3/★★★★★)

 

共犯 [ ウー・チエンホー[巫建和] ]
価格:3693円(税込、送料無料)


 



(計: 52本)

雑感

「リリーのすべて」がとにかく好きで!!
劇場で2回観て、DVDが出てからも何度も見て、これ上げるまでに何回見たか解らないです(笑)

何に憑りつかれているのかは自分でも解らないのですが、毎回、しみじみと寂しく温かいラストを味わいます。(なのにレビューは書けてないっ)

音楽も…アレクサンドル・デスプラさんの曲って本当に何を見ても作品を何倍も上げるよなぁと思います。

「ファンタスティック・ビースト」は、「リリー」でエディを好きになりすぎたのでこの位置にあるって気もします(笑)

けれども、決してあの作品の中のリリー・エルベが好きってわけではないのがまた不思議(笑)


「サウルの息子」は、臨場感がハンパなく、自分が痛めつけられたり追われたりしている感覚が久々に「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を思い出しましたね。自分自身が死んだ感覚。

決して楽しくもないし感動するわけでもないのですが、映像が自分の一部になったような気持悪さと痛みがありました。

「レヴェナント」もそれと似たような臨場感がありました。「PK」は、とにかく好き


外国語映画も邦画と同じく、ランキングしたと言っても特に点差はないです。2016年は名作に恵まれた年でした。

中でワーストの方にホラーが集まるというのは、やはり私の見方が悪いのかも(笑)

年々ちょっとやそっとじゃ恐いと思えなくなる強さ(爆)


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2017年に見た日本公開映画を全部ベストランキングしてみた

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1年丸々更新していなかった状態ですが、1年ぶりの記事が昨年のベストってどうよ、と思いつつ、今年も(もう今年じゃないし)何だかブログ的に閉まらないので今さらながら2017年度のベストを出してみた。

今回はもう洋画も邦画もアジアンもヨーロッパもごた混ぜです。すいません。
  

  f:id:nakakuko:20180118034416j:plain



・順位はあくまでも私感です。(先ほどから見直しては何度も動かしているほど適当です)

・評点は上20位だけ掲載しました。(観賞後すぐにメモ的にレビューを入れている「Filmarks」https://filmarks.com/users/kukucooの評点を引っ張っています。)

・一応、上10位と下の方だけ「Filmarks」レビューへのリンクを貼っています。

・「Filmarks」では基本的に評点は2.5を平均に、1点台と4.1点以上は滅多に付けないように心がけております。ご参考までに。

2017年に劇場公開された作品

  1.  哭声 コクソン(韓) 4.1
  2.  沈黙ーサイレンスー(米) 4.1
  3.  ラ・ラ・ランド(米) 4.0
  4.  ドリーム(米) 4.0
  5.  ダンケルク(英) 4.0
  6.  新感染 ファイナル・エクスプレス(韓) 4.0
  7.  LION ライオン 25年目のただいま(豪) 3.9
  8.  はじまりへの旅(米) 3.9
  9.  否定と肯定(米) 3.9
  10.  残像(ポーランド) 3.9
  11.  ハクソー・リッジ(米) 3.9
  12.  トンネル 闇に鎖(とざ)された男(韓) 3.9
  13.  ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(英) 3.9
  14.  THE NET 網に囚われた男(韓)(2017/DVD) 3.8
  15.  三度目の殺人(日) 3.8
  16.  ユリゴコロ(日) 3.7
  17.  散歩する侵略者(日) 3.7
  18.  猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(米) 3.7
  19.  愚行録(日) 3.6
  20.  彼らが本気で編むときは、(日) 3.6
  21.  静かなる叫び(カナダ)(2017/DVD)
  22.  彼女がその名を知らない鳥たち(日)
  23.  帝一の國(日)
  24.  光(河瀨直美監督)
  25.  IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(米)
  26.  ゲット・アウト(米)
  27.  バリー・シール/アメリカをはめた男(米)
  28.  メッセージ(米)
  29.  美しい星(日)
  30.  幼な子われらに生まれ(日)
  31.  家族はつらいよ2(日)
  32.  パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊(米)
  33.  エルネスト(日)
  34.  3月のライオン 前編(日)
  35.  美女と野獣(米)
  36.  スノーデン(米)
  37.  オリエント急行殺人事件(米)
  38.  関ヶ原(日)
  39.  ジェーン・ドウの解剖(英)
  40.  探偵はBARにいる3(日)
  41.  サバイバルファミリー(日)
  42.  奴隷の島、消えた人々(韓)(2017/DVD)
  43.  パトリオット・デイ(米)
  44.  ムーンライト(米)
  45.  ライフ(米)
  46.  亜人(日)
  47.  ジグソウ:ソウ・レガシー(米)
  48.  22年目の告白 私が殺人犯です(日)
  49.  アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発(米)(2017/DVD)
  50.  火花(日)
  51.  スター・ウォーズ/最後のジェダイ(米)
  52.  DESTINY 鎌倉ものがたり(日)
  53.  キセキ あの日のソビト(日)
  54.  アナベル 死霊人形の誕生(米)
  55.  8年越しの花嫁 奇跡の実話(日)
  56.  3月のライオン 後編(日)
  57.  マリアンヌ(米)
  58.  ラビング 愛という名前のふたり(英)
  59.  アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男(独)
  60.  アシュラ(韓)
  61.  銀魂(日)
  62.  忍びの国(日)
  63.  追憶(日)
  64.  光(大森立嗣監督)
  65.  花戦さ(日)
  66.  世界にひとつの金メダル(仏)
  67.  パッセンジャー(米)
  68.  スプリット(米)
  69.  アウトレイジ 最終章(日)
  70.  ミックス。(日)
  71.  ラストレシピ 麒麟の舌の記憶(日)
  72.  アイム・ノット・シリアルキラー(英)
  73.  破門 ふたりのヤクビョーガミ(日)
  74.  本能寺ホテル(日)
  75.  こどもつかい(日)
  76.  東京喰種 トーキョーグール(日)
  77.  マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓)
  78.  暗黒女子(日)
  79.  サクラダリセット 前篇(日)
  80.  ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章(日)
  81.  きみの声をとどけたい(日)
  82.  ヒトラー最後の代理人( イスラエル)(2017/DVD)
  83.  メアリと魔女の花(日)

 

2017年以前に公開された作品

(順不同)

  • インビテーション/不吉な招待状(米)(2015/DVD) 2.9
  • ザ・ギフト(米)(2015/DVD) 3.3
  • 神様の思し召し(伊)(2015/DVD) 3.2
  • 屍憶 SHIOKU(台)(2015/DVD) 3.1
  • イレブン・ミニッツ(ポーランド)(2015/DVD) 2.9
  • ニュースの真相(米)(2016/DVD) 3.9
  • ミモザの島に消えた母(仏)(2015/DVD) 3.3
  • 奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ(仏)(2014/DVD) 3.8
  • セトウツミ(日)(2016/DVD) 3.1
  • 疑惑のチャンピオン(英)(2016/DVD) 3.1
  • ディストラクション・ベイビーズ(日)(2016/DVD) 3.5
  • 京城学校 消えた少女たち(韓)(2015/DVD) 3.0
  • グランドフィナーレ(伊)(2015/DVD) 3.0
  • 十字架(日)(2015/DVD) 2.9
  • 検事フリッツ・バウアー ナチスを追い詰めた男(独)(2016/DVD) 3.0
  • ドント・ブリーズ(米)(2016/DVD) 3.0
  • エル・クラン(アルゼンチン)(2015/DVD) 3.1
  • 箱入り息子の恋(日)(2013/TV) 3.1
  • メトロ42(米)(2012/TV) 2.8
  • ミニオンズ(米)(2015/TV) 3.4
  • 7500(米)(2013/TV) 2.5

2017年度公開  邦画  45 外国語 38
2017年以前公開 邦画  4  外国語 18

計 105本

 

雑感

基本的にそういう傾向はあるのですが、宗教と運命……が、奇跡のように神秘的に残酷に描かれている作品が好きなのだと思います。上の2作はまさにそうですね。

「哭声」は、劇場で2回見て、DVDを2回レンタルして、ついに購入しました(どんだけ好きなんだ(笑)) 基本はホラーですが、神と悪魔を間違い、見た目と伝聞に惑わされる人間の業がバシバシ伝わってくる作品でした。

「沈黙」にも同じような気持ちでハマりました。

「ラ・ラ・ランド」は、もう単純にただただ大好きです。


今、見直して、2017年もたくさん素敵な映画と出会えたなぁとしみじみ感謝し……

2018年は、ちゃんとブログ書こうよって思ってます……。

サーバーを引っ越す予定があるので(サイトアドレスはこのままです)、それに合わせて「Filmarks」から短観を引っ張ってこようかなとか、色々と考えてはいます。はい。

こんなサボリ具合ですが、今年もよろしくお願い致します

 

おまけ。

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『死霊館 エンフィールド事件』実話ベースだけど恐くはないよね

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死霊館 エンフィールド事件

~ THE CONJURING 2 ~ 

 f:id:nakakuko:20160713050716p:plain

 

監督: ジェームズ・ワン
キャスト: ヴェラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、フランシス・オコナー、マディソン・ウルフ、サイモン・マクバーニー、フランカ・ポテンテ、ローレン・エスポジート、ベンジャミン・ヘイ、パトリック・マコーリー、サイモン・デラニー、マリア・ドイル・ケネディ、ボニー・アーロンズ、スターリング・ジェリンズ
公開: 2016年7月9日  観賞: 2016年3月11日

 

アナベル人形
一応出て来るけど。チラッとな。
今から考えたら『アナベル』の方も「2」が出来るらしいから、そのためのゲスト出演だったのかも……ぃゃ、たぶん違う。怒.gif

とりあえず…そのテントはさっさと畳もうか。そんな絵も飾るのやめようか。
あんたらのやる事は理解できん(爆)
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◆あらすじ
ロンドン北部に位置するエンフィールドで、4人の子供とシングルマザーの家族は、正体不明の音やひとりでに動く家具が襲ってくるなど説明のつかない数々の現象に悩まされていた。助けを求められた心霊研究家のウォーレン夫妻(パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ)は、一家を苦しめる恐怖の元凶を探るため彼らの家に向かう。幾多の事件を解決に導いた夫妻ですら、その家の邪悪な闇に危機感を抱き……。(シネマトゥデイより引用)

 

 前作は途中で劇場を出たくなったほど恐かったので一応期待したのだが、今イチ。

自分はホラーに耐性ありすぎる方なので基準にはならないと思うけれども、やっぱりツボに入る部分も人によって違うわけで…。

私は首吊りツリーの映像にとても弱いので前作はそこで一気に持っていかれた感があったと思う。

そして、霊が宿る人形ね。

あれも大嫌いなので冒頭から恐かった。つまり前作は個人的にストライクするものが多く、今作はほぼ引っかかる所が無かったということかも。

けれども、こう書いていて思うのは、前作は引っかかるパターンが2時間の中にたくさん詰まっていたよな~と。

今回は驚かせるパターンが同じで、途中で眠気すらきた(笑)
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ただ霊が出てきてこんにちわ、悪魔が出てきてブワァァってのを繰り返されてもね…。お化け屋敷もいつも同じところから同じようにお化けが出てくりゃ売上げ無くなるよね。笑.gif

孤独な少女の物語としてはベタだけれどもちょっとウルっときてしまう部分もあった。

でも、それはホラーに特に要求しない(笑)

どうせなら家族の物語としてもう少し姉弟のキャラを濃くしてあげれば良かったのに。ウォーミングファミリー物語としても失敗している気がする。

少女が戦う物語にもなりきっていないし、とにかく…とにかく長い 。

ラストの実在のテープと映像が一番怖かった。

一番の収穫はエドとロレインの娘・娘ジュディ・ウォーレン役のスターリング・ジェリンズちゃんがめっさ美少女になっていた事。ハート2.gif
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出番はほんのちょっとだけど。

この事件は、世界が霊の存在を初めて認めた実在の事件だということ。

調査員による数ヶ月の調査中に発生した怪現象の記録だけで1500を超えており、発生総数となると不明。このポルターガイストの活動は、多くの者によって目撃され証言されており、家族以外にも、調査員、警察、報道関係者が含まれる。そして、録音テープや写真やフィルム(動画)で記録されている。調査員のモリス・グロスが述べたように、でっちあげなどありえないほどの この量の多さこそが、この事例に最も説得力を与えている。

 

と書かれたwikipediaのページを読む方がこの映画を見るよりも恐かったりして……。

エンフィールドのポルターガイスト – Wikipedia

 

 

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エドが突き刺されて死ぬイメージをロレインが見るたびに、そうそう、そうやって死んでしまった夫を黄泉の国から連れ戻すんですよね…と、ついつい思ってしまった。

同じジェームズ・ワン監督で同じパトリック・ウィルソン…『インシディアス』と、とても被る。笑.gif

そう。危機一髪で助かったり、芝居だったり、やはり起こる出来事が家がドタバタしているって以外に大して恐くないのだった。

とにかく…
悪魔のせいで成仏できなかったおじいさんは家族の元に行けて良かったね、って、そういう話でした。

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『ターザン REBORN』大人のジャングル・ブック

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ターザン:REBORN

~ THE LEGEND OF TARZAN ~ 

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監督: デヴィッド・イェーツ
キャスト: アレクサンダー・スカルスガルド、マーゴット・ロビー、サミュエル・L・ジャクソン、クリストフ・ヴァルツ
公開: 2016年7月30日  観賞: 2016年7月14日(試写会)

 

『レヴェナント』の時には熊が恐ろしかったわけだが、こっちではゴリラ恐ぇぇぇぇ……となるわけである。

あーー…あんな風に叩かれたら全身の骨が一度で砕けるわ…動物恐い。自然恐い。泣.gif

けれども、結果的には人間の方がずっと狡猾で恐ろしいのだった。

◆あらすじ
生後間もなく国の反乱が原因で、コンゴのジャングルで動物たちに育てられた英国貴族ターザン(アレキサンダー・スカルスガルド)は、美しい妻ジェーン(マーゴット・ロビー)とロンドンで生活していた。ある日、政府の命令で故郷へ戻るがそれは巧妙なわなで、ジャングルを侵略された上に、妻がさらわれてしまう。愛する妻と故郷を取り戻すべく、ターザンは内なる野性を呼び覚まして戦うことを決意する。(シネマトゥデイより引用)

 

2D観賞。

「大自然」とか言っちゃうのが軽く感じられるくらいのワイルドワイドなジャングル風景の中で繰り広げられる、迫力満点のアクションにただ見入る。

お話としては単純明快。
攫われたお姫様を助けるために戦うジャングルの男。

よくあるヤツですね、と言われたら身も蓋もないが、これが意外と飽きないのよ。

英国では貴族というセレブな地位にあり、ジャングルに戻ればライオンもゴリラも幼馴染み。

元々コンゴで暮らしていた明るく美しい妻・ジェーンも走るし戦うし、非常に好ましい女。

2人のラブラブシーンも動物がじゃれ合っているように自然で美しいんだよね。そして色っぽい。

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この妻だったら攫われたら助けなきゃって思うだろ…うん。納得のキャラクターをマーゴット・ロビーが好演。

ターザンが故郷へ戻る切っ掛けとなったジョージの振り回されっぷりも面白い。(もちろん、振り回されてるだけじゃなくて、かなり活躍します)

ジャングル押し通るところは、もう…伊賀越えかって……
ううん、『真田丸』をご覧になっていない方にはピンと来ないネタで、どーも…。笑.gif

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アメリカ南北戦争からヨーロッパにおける奴隷貿易問題までモリモリ盛り込みつつ、自然を維持し動物と共存するということを考える。

そういう部分が深く深く描かれているわけではないが、アクションすげーーーとボーーっとしつつもそういう所に想い馳せられる作りにはなっている。

まぁ、難しい映画ではないので、とにかくジャングル冒険を楽しもう。

ゴリラ恐ぇぇ、ワニ恐ぇぇ…と思いつつ、ジャングルを走り回っている内にいつの間にか気分はもう動物たちの味方。

早く死んで下さいと願うのは人間ばかりという。鬼畜だわ。人間。

『ジャングル・ブック』の実写版も公開されるということで混同されている筋も多そうだけれども(笑)こっちは筋肉隆々のイケメンなので全く違います。(そういう問題か)

ラストのあのシーンでは思わず、このダンナが欲しいと女性はみんなポワーっとなる!! …かも知れない。 たぶん(笑)

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悪役がキッチリ描かれているのも好感度高い。

最初に出て来た時には全く強そうに見えなかったのに、あの十字架ぐるっと攻撃には驚いたわ。仕事人か!!

こんな話なのだから主人公が殺されちゃうわけないのだが、クライマックスは文字通り手に汗握ったよ。

思わずワニに向かって「早く!早く!」と叫んでしまいそうになったぞ。(実際、本当に口が開いちまった笑.gif)

あの、グルーーッと旋回してジェーンを助けるシーンではポワワワとなったし、作り手の思惑通りにハラハラしたりウキウキする良い観客…わし。笑.gif

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結局、あのまま夫妻はコンゴに住み続けるのだろうか。貴族なのに英国に戻らなくて女王様に怒られないだろうか。…と、ちょっと心配する。

まぁ、あの人たちにとっては貴族社会は窮屈そう。
きっとアフリカで幸せに…そして続編へと……続きそう。笑.gif

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『君の名は。』わたしの片割れ

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君の名は。

  

監督: 新海誠
キャスト: 神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、成田凌、悠木碧、島崎信長、石川界人、谷花音


公開: 2016年8月27日  観賞: 2016年8月27日

 

高校生の男女が入れ替わる。SFのような、「世にも奇妙」的な、まぁ少年マンガにも少女マンガにもよくある設定。

予告から受け取った情報はそんな程度。

そこに清々しくて可愛らしい青春ストーリーがあって、ちょっとスッキリさせてくれれば儲けものだよね…そんな風に思っていた。

甘かった…。

◆あらすじ
1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。(シネマトゥデイより引用)

 

田中将賀さんのキャラクターは好きだし、声を充てているのが神木くんと、『ちはやふる』でその声にホレた上白石萌音さんだというのが「観に行こうかな」と思った切っ掛け。

他はそれほど期待していなかった。

前半は「RADWIMPS」のPVみたいじゃないか、と思い、あ~思った通り男女が戸惑いながら入れ替わり生活に慣れていくんだな、と思い、「カワイイし、そこそこ面白いよね」と思った。

映像は三葉の住む伝統深い田舎町の自然や、この作品に重要な「空」、瀧くんが住む都心のよく見る風景も含め丁寧で美しい。

自分の居場所に不満を抱き、田舎に住む者は都会に憧れ田舎を持たない都会者は味わった事のない郷愁感に涙する…。

しかも、三葉の設定は珍しい立場。
土地に縛り付けられた身体が憧れと共に自分探し思春期真っ最中の瀧くんを呼び寄せ、お互いがいつの間にかお互いの「半分」になっていく。よく出来たストーリーだ。

慣れるの早すぎないなど不満もある。

けれども、そんな事はもうどうでもいいの。

だって、これは、選べなかった人生の話なのだから。

ここから先は何も読まず、できたらどこでもネタバレには一切触れずにこの作品を見てほしい。

日々を「喪失」することの意味と、再生を願って生き続ける私たち日本人が受け取るべきものが詰まった名作だから。

風化させてはならない。

 

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泣きっぱなしだった後半。

三葉は実は瀧くんに成りきってしまい、奥寺先輩に惚れてしまったから「失恋」なのかな、とか、失恋したから一切の連絡を絶ってしまったのかとか、そんな風に軽く見ていた。

まさか、命を失っているとは思わないから。
2人の入れ替わりに魔法の力を授けた「彗星」が、そんな素敵な物ではなくて多くの人の命を奪う大災害の塊りだったなんて思わないから。

三葉が瀧くんの生活を楽しんだように、瀧くんも三葉の友達を故郷を家族を愛しただろう。「自分の半分」を突然奪われる喪失感の大きさ。

アイデンティティを半分喪失したら、自分が生きていないように思えるのは当然で。

彗星の落下で町民と共に消えた飛騨の糸守町。
記憶から消えた「名前」を、覚えている限りのスケッチだけを頼りに探し当てる。口噛酒を納めた御神体へ辿り着く。

捻じ曲がっていた3年が、片割時(彼は誰時)の間だけ融合する…。

人間は本当は死んだ人になんか二度と会う事は出来ない。

だから、この作品の中で描かれているのは本当に大きな「願い」なのね。

あの災害で。亡くなった多くの命や、故郷や思い。

願いはそこへと届く。

道は全く違うけれども、『シン・ゴジラ』に通ずるものもある。

私たちは、風化してはならない願いを、今、振り返っているのだ。

出来すぎでもあり得なくても、ラストに向けての糸守町救済への流れを祈るように見た。

ラストシーンにまた泣いた。

時間も人も出会いも何もかもが「結び」。

もちろん「名前」も。

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『ミュージアム』カエル男ネタバレの刑

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ミュージアム

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監督: 大友啓史
キャスト: 小栗旬、尾野真千子、野村周平、五十嵐陽向、丸山智己、伊武雅刀、田畑智子、市川実日子、大森南朋、松重豊、妻夫木聡


公開: 2016年11月12日  観賞: 2016年10月31日(試写会)

 

ポスターまでキャスト名明かさず「カエル男」で通してたのに、どうして封切前にネタバレしちゃうのよ~~。

……と、思っていたけれども、これ、バラされなきゃカエルキャストが誰だか解らなかったかも(笑) いやぁ、本当に気持ち悪かったよ(誉めてます)

 

◆あらすじ
現場に謎のメモが残される猟奇殺人事件が矢継ぎ早に発生するが、その事件は雨が降る日のみ起こっていた。一連の事件の関連性を察知した沢村久志刑事(小栗旬)は、自分の妻子が狙われていることを知る。やがて、カエルのマスクをかぶったカエル男の存在が浮かび上がり、犯人に近づいていく沢村だったが、カエル男の仕組んだわなにはめられ窮地に陥り……。(シネマトゥデイより引用)

ネタバレ、と言えば、あのシーンもあのシーンも予告に入れないで欲しかったなぁ……。

衝撃度で言えば、あのシーンは初めてカエル男がバーーーンっと主人公標的で出てきた重要なシーンだし、あのシーンは主人公サイドのエピソードとしては初の不条理シーンなのに。「あのシーンあのシーン」言うなよって、あ、すいません(爆)
 ミュージアム1.jpg

って、ことで…甘いネタバレとしては、これで年齢指定がないって本当なのいいの前評判通りの和製『SE7EN』キャッチコピー通り。

はい。グロイです。

試写会場、お子さま連れがたくさんいらしてましたが、お子さまにはあまり見せない方が良いと思いますよ。(何より、ハ〇〇ー〇食べたくなくなります(笑))

公式サイトにガッツリ載ってる「5つの私刑」もネタバレじゃないんだろうか、と思いつつ、タイトルだけネタバレされていてもこれ以上ないほどの映像の破壊力。(だから。子連れダメだってば。)

この辺は「Seven」をご覧になった方ならば、みなさん「おお、よく出来ている」と思われるはず。

降り続く雨のうっとおしさ、異様な殺人鬼、主人公サイドに迫る狂気の正体、暗くて不気味なほど鮮明に残る映像美は『龍馬伝』『るろ剣』の大友監督真骨頂。

『別ノート』を観てから続けて試写会に入ったからというのもあるけれども、同じように人が理不尽に処分されていく中、とことん遺体の美しさと澱みないストーリー展開を繰り広げていく手腕に見入った。

前半は。

 

和製『Seven』か…と思われた前半の魅力が後半になるとちょっと失速し、終盤になると「キャッチコピー…ぇ…」と落ちてくる。

まぁ…そうだよね。
いや、期待していたわけじゃない(と思うんだけど)ここは、〇〇〇エンドが自然じゃね。と、つい思ってしまうのよ。これ以上書くと結末に触れるのでここには書かないでおく。

私は大友監督が描いてきた幕末感が好きで。

戦って戦ってたくさんの犠牲の上に今と未来がある。
戦った結果、上に立った者が決して正義なわけではなく。
理不尽なことの連続でも、それでもそこへ至る努力をした人たちは輝いていた。

大衆向けのエンタメ枠の中で、確かに現代へのメッセージを残してくれる。
過去作のそこが大好きだ。

けれども、この作品にはストンと落ちるメッセージがなかったのね。
むしろ…
ラストの方は疑問符だらけになってしまった。

もっとも、それは恐らく原作通りなのであって、原作を読めばそういう点も納得できるように描かれているのかもしれない。(だとしたら、映画は描き足りないことになる)

いや、サイコサスペンスとして、絵作りは素晴らしかったと思います。
個人的にストーリーは今ひとつ。

 

役者さんがとにかく素晴らしく、オノマチさんだからこの妻でもまだ許されるなぁと納得するシーンがたくさんあった。

そして、陽向くんね!!
この子が五十嵐陽向くんだから、親父、ちゃんとしやがれよ(怒)と思えるのだった。可愛いは正義すぎる。
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あとは、もちろんカエル男(もうネタバレしてるのにしつこく隠してあげている(笑))。引くわ~~(笑)引くほど素晴らしい。

 

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試写会から2週間。ハンバーグ、未だに作る気にも食べる気にもならなくて、どうしてくれる(爆)

5つの私刑

・ドッグフードの刑
・母の痛みを知りましょうの刑
・均等の愛の刑
・針千本のーますの刑
・ずっと美しくの刑

これが全部、ある死刑判決裁判の裁判員繋がりだったという展開は面白かった。

当然、容疑者の身内など関係者の犯行を疑うところを、自分の犯行だと認められなかった真犯人の復讐…つまり「私怨」。すなわち「私刑」と。
なんていう身勝手な…という話。
  ミュージアム2.jpg

最近のサスペンスではアルアルな流れだけれども、この展開も面白かった。ただ、遥に関してはねぇ…。ここでよぎるポスターのキャッチコピー…。

あなたは最悪のラストを期待する。

いや、期待してたわけじゃないけど、この流れなら最悪のラストになるのが自然じゃね……。

今までバンバン美しいご遺体を作っていたカエル男さんよ、どうしてここに来ていきなりまだるっこしい手順を踏みまくるんですか。

主人公だから主人公だけには流れ弾が当たらない、当たっても死なない法則(笑)

あんな首の作りものなんか冷蔵庫に入れちゃって馬鹿みたい…突然撃ち合いなんかになっちゃって意味解らないと思いつつ、陽向くんが生きてて良かった!!と、そこだけはホッとする複雑な気持ち(爆)

そして、もう一つの納得できないこの作品のメッセージ。

裁判員、やりたくねぇ……。

裁判員が狙われたというゆゆしき事態のこの結末。

これ、このまま終わったら、誰も裁判員やりたいと思わなくなるけれども、それでいいのだろうか。

あっ、この作品自体が「裁判員制度に反対する」目的で作られた作品なのかな。

そうならば、それはそれで正しい作り(そうなのか笑.gif)

 

事件自体は、それが切っ掛けで意外だったし面白かった。

けれども、ラスト近くに遥にインタビューするジャーナリストの下りね。

 

「あなたは自分の一票で冤罪死刑された人が出たのによく平気でいられますね」って…。

 

もう「裁判員なんか辞めようぜ」メッセージのダメ推し。

もしも責任を持って裁判に挑もうとかそういうメッセージなのだとしたら、それはそれで、もっとシッカリ描かないと…。

 

あとは、個人的には「仕事と私とどっちが大事」案件はあまり好きじゃないんですよね。働く事は罪なのか。

お父さんは働いてお金を持ってきてくれるだけで充分素晴らしい…と常々思ってる方です、はい。

しかも、特に浮気するわけでも借金するわけでもなく市民のために働いてくれている人に「父親失格」と言われても~。

 

だから私刑になりかけたんじゃんって話だが、最終的には「市民のために治安を守るお仕事よりも子供の運動会の方が大事だよ」って結末になっちゃったし。

 

でも、まぁ、陽向くんだからね。陽向くんがカエル男パート2にならないようにシッカリ育てるのは国民に対する義務。可愛いは正義すぎ……(結局そこ笑.gif)

 

 

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『オケ老人!』と「渡る世間は鬼ばかり」 VIVA敬老

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オケ老人!

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監督: 細川徹
キャスト: 杏、黒島結菜、坂口健太郎、左とん平、小松政夫、藤田弓子、石倉三郎、茅島成美、森下能幸、萩原利久、フィリップ・エマール、飛永翼、光石研、笹野高史


公開: 2016年11月11日  観賞: 2016年9月19日(試写会)

 
「敬老の日」にキャスト登壇完成披露試写会に行ってきた。これね。


檀上はとんでもなく平均年齢が高かったけれども、客席の方はお年寄りだけではなく、若者も沸いていた…招待ハガキには名前が入ってなかった坂口健太郎くんが来ていたから(爆)

私も来るとは知らなかったので、思わず沸いてしまった(笑)
いやあ、朝ドラなどで見ている印象よりも遥かに背が高くて逞しい雰囲気の若者だった。杏ちゃんよりもタッパがあるってだけで感動してしまった。

いや…
坂口くんを見に行ったわけではなくてよ。汗.gif

杏ちゃん、出産後の初仕事だという挨拶を聞いて、ちょっと嬉しくなってしまったわ。お母さんになったんだなぁ。

落ち着いてシッカリしていて、気取らない喋り。
クセモノ(いや、失礼、ベテラン)の大先輩方を立てつつ、柔らかく対応していく。
好感度高いなぁ。笑2.gif

◆あらすじ
バイオリンが趣味の数学教師の小山千鶴(杏)。梅が岡高校に赴任した彼女は、地元の文化会館でのアマチュアのオーケストラによる見事な演奏を耳にして入団を決意する。だが、彼女が入ったのは老人ばかりの梅が岡交響楽団で、文化会館で演奏していたのはエリート楽団として知られる梅が岡フィルハーモニーだったと知ってがく然。退団しようとするも、その後指揮者を務める羽目になり……。(シネマトゥデイより引用)

物語は「オケ育てます物」ではよくある展開だけれども、嫌な方向のベタは無いので安心して楽しめる。

ヒロインが何かを目指して奮闘する技能系ドラマ。
音楽もたっぷり聞けるし、とぼけた脚本も面白い。
何より杏ちゃんのコメディエンヌっぷりがずば抜けている。

以前から思っていたけれども、コロコロ変わる表情も大ぶりな仕草も、とてもコミック的。だから、コメディ系の物語にはすごくハマる。
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 手足が長いのも漫画っぽいんだよね。

自然体で絵になるのだから、これはもう賜りものだと思うのだった。 
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自分勝手で食わせ物だと思っていた年寄りたちと共にオケをやっている内に、人と合わせて生きる事の価値を学んでいくヒロイン成長物語。

『後妻業の女』を見た時にも老人応援のように感じたが(まぁ、あれはお薦めできる生きがいじゃないけど(笑))こっちはもっと正攻法で年寄りにやる気を起こさせる作品だと思った。

若者に対してよく「今じゃなきゃ出来ないことは今やっておけ」という説教を聞くけれども、それって実はどの年代にも当てはまる。

小学生の内にしかできない事、30代にやっておくと良い事、50代だからやっておきたいこと。70代だって。80代だって。人間、生きている内にしか出来ないことがいっぱいある。

お年寄りだからこそ、今、やっておきたいこと。

どんな年代だって、やりたい事があったらやればいい。
後悔も出来なくなったら、もう遅いのだから。

野々村さんの言葉が千鶴にそれを気づかせる。

いくつになったって、あきらめずにやり続ける何かを持っているのは幸せな事だ。きっと。

この敬老の日には夜、TBSドラマ『渡る世間は鬼ばかり』SPの放映があって。

子供が巣立ち、店も娘が切り盛りしてやる事がなくなった主人公が「やる事」を求めて右往左往する物語だった(笑)

プロデューサーの石井ふく子氏は90歳。脚本の橋田壽賀子先生は91歳。すごいコンビである。

もう引退すればいいのに、という声もあるけれども、どうだろう。

90過ぎても書けるなんて、書いて発表する場があるなんて素晴らしいことだと個人的には思うのだ。

何よりも、書くバイタリティがあることが素晴らしい。
引退なんてしなくていい。やりたいだけやっていただきたいと思うのだった。

こういう人たちの存在は元気を与えるじゃないか。
こんな凄い人たちがいるのだから、まだまだ私たち何もあきらめなくていいと思えるじゃないか。

老人が社会を元気にする…というのは間違っていないと思う。
誰もがいずれ進む道、の先には元気な未来が待っていてほしいから。

 

『オケ老人!』の人たちも、そんな元気をちょっと貰えるお年寄りたちだった。

感動の「威風堂々」に辿り着くまでのストーリーを笑いながら、ちょっとウルっとしながら楽しめる温かい1本。ぜひ

※このレビューにはネタバレ欄は特に設けません。

 

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『ボクの妻と結婚してください。』自分の終活、妻の婚活

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ボクの妻と結婚してください。

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監督: 三宅喜重
キャスト: 織田裕二、吉田羊、原田泰造、高島礼子、込江海翔、森カンナ、眞島秀和、佐藤ありさ、前川泰之、大塚千弘、小堺一機、大杉漣


公開: 2016年11月5日  観賞: 2016年10月19日(試写会)

原作小説→舞台→ドラマ化からの映画化である。
樋口卓治氏の原作は未読だが2015年に放映されたNHKBSドラマは視聴済み。
だから、大方のストーリーは把握しての観賞。一ツ橋ホール試写会。

正直、劇場で予告を見るたびに「えぇぇ~…」と思っていた。
だって、予告が、まんま…。いいのか、これは、と。笑.gif

◆あらすじ
バラエティー番組の放送作家・三村修治(織田裕二)は多忙な日々を送っていたある日、末期のすい臓がんで余命6か月と宣告されてしまう。ショックを受けながらも家族のため何ができるのか考えた彼は、自分の代わりに家族を支えてくれる人を見つけようする。そこで、以前一緒に仕事をしたことがあり、今は結婚相談所の社長である知多かおり(高島礼子)に、自分がこの世を去った後の妻の結婚相手を探してほしいと頼み……。(シネマトゥデイより引用)

それってネタバレじゃない
という話だが、予告自体がネタバレなのだから仕方ないよね。笑.gif

ずばり、キャストが心配でした。

上にも書いた通り、NHKBSドラマ版を視聴していたので話の流れは知っていての観賞。 だからどうしても比較してしまう。

が、不安視していた割には泣けたわ。…こういう話だから泣けないようならダメですもんね。

何を不安視していたのかと言うと、ずばりキャストである。
ファンの方はすいません。もちろん私も嫌いな方々なわけではない。

ただ、どうしても織田裕二は死にそうには見えないし、吉田羊さんは死後の心配をしてあげなきゃいけないような女には見えないのだった…逞しくシングルマザー街道をばく進しそう。汗.gif

ドラマ版はウッチャン(内村光良)と木村多江さんのカップルで、ほら…見なくても想像できる感じでしょう。死を宣告されてオタオタし、構成作家として笑いを求め、「いつも笑っていてほしい妻」にずっと笑顔を提供しようと思いつく様。

すでに当時のドラマレビューの方に「三村修治はウッチャンならではの役だ。」とか書いちゃってるもんね。不安になるのも解っていただけるだろうと。

結果、映画版は映画版で納得できた

観賞した結果、これはこれでいいのだと思った。

ゆーじが死にそうにないのは変わりないけれども、そういう部分を脳内から打ち払って見れば、見事に「織田裕二と吉田羊のドラマ」になっていた。

ドラマ版は全体的にファンタジーモードだったが、映画版は極めて現実的。 この2人の印象がそうさせているのだと思う。

設定自体は奇想天外な物なのだが、それを「現実」に見えるように持っていく。その結果、ちょっと変わった終活映画が出来上がるという面白い展開。

だからこそ泣ける、という方もいらっしゃるだろうし(現実に試写会場は嗚咽で溢れていた)、映画版しか見ていない方は恐らくドラマ版を見たら目が点になるんだろうなぁ…と冷静に思いつつ、私もすすり泣き程度にはウルっとしたのである。

同じ話でも印象がこうも変わるかと思うと、これはやはり両方見ないともったいない。映画を見た方は機会があったらぜひドラマ版もご覧になってみてください。

ドラマ版にあって、劇場版にないもの

連ドラ版には演出にちょっとカンに障る仕掛けがあって最初は脱落しそうだったのだけれど、最終回にその演出の意味を理解して泣くという…。

そういう意外性は映画版には無かったな~。

淡々と終活を追って行く作品になっていた。

驚いたのはドラマ版のラストに描かれた「ある形式の葬儀」がスパっと削られていたことである。

原作を読んでいないので解らないが、あれはドラマオリジナルの展開だったのかしら。

自分はこの作品の映画化が決定したと聞いた時、あのシーンをスクリーンでパーーッっと映し出すための映画化なのだろうと勝手に思い込んでいたのだけど。そこが見れなかった事は残念。

そう考えるとドラマ版は終末について葬儀や墓までトータルに考えさせてくれる凄い仕掛けだったのだなぁと改めて思う。

ドラマ版の見直し感想ばかりになってすいません。

劇場版の主要キャストは子役の込江海翔くんがとても良かったこの子がいるから泣けたのだというのが個人的に一番の感想。

あとは原田泰造の笑顔の安心感ね。
とても役に合っていた 。

泣かせ狙いの作品ではなく、人が人生の終わりにどう過ごし、どう「送られるか」を描いた優しい作品。

 
※これを読むと全体的にネタバレされるので、これから見る方は読まない方が。注意.gif

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

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夫は自分の死後の妻と息子のサポートを考え尽くして満足して死んでいく。
妻は再婚すると夫に信じさせて安心して逝かせてあげる。

夫が立てた企画が結果的には妻の企画に早変わり、という夫婦思いやりのお話。

伊東さんは今後どうなるのか解らないけれども、きっとこれきりにはならず、三村親子とは良い友人関係を築いていくだろう。

「結婚」という形では無くても、修治は良い繋がりを彩子に残していってくれた。

これも、人徳。

ドラマ版放映中、私の父は末期のガンで、修治のような素敵な人格では無かったので色々とモヤモヤするものを残して逝ってくれた。

人間の最期って、本当にその人の生きてきた人徳や性質の全てが表れる物だとつくづく思う。生きてきた形が最期の形。

幸せに逝くことも、幸せを残して逝くことも、全部周りから与えられるのではなく自分次第。

考えさせられる1本になった。

 

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『この世界の片隅に』 傘を一本持てきたか

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この世界の片隅に

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監督: 片渕須直
キャスト: のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世、牛山茂、新谷真弓、渋谷天外


公開: 2016年11月12日  劇場観賞: 2016年11月15日

ちょうど、これを観た日、NHK朝ドラの中に「あなたは淡々としていればいい」というセリフがあって。

ああ、いいね。「淡々と」した暮らしを目指したい。と思っていたところ。

ただ淡々とした暮らしを前向きに送っていた人たちの、送ろうとしていた人たちの、送りたかった時代の人たちの物語を見た。

◆あらすじ
1944年広島。18歳のすずは、顔も見たことのない若者と結婚し、生まれ育った江波から20キロメートル離れた呉へとやって来る。それまで得意な絵を描いてばかりだった彼女は、一転して一家を支える主婦に。創意工夫を凝らしながら食糧難を乗り越え、毎日の食卓を作り出す。やがて戦争は激しくなり、日本海軍の要となっている呉はアメリカ軍によるすさまじい空襲にさらされ、数多くの軍艦が燃え上がり、町並みも破壊されていく。そんな状況でも懸命に生きていくすずだったが、ついに1945年8月を迎える。(シネマトゥデイより引用)

 
原作は、こうの史代氏の同名漫画。未読。

もしかしたら太平洋戦時中の市井の人を描いた物語の中では最高峰かも知れない。

もっとも映画では(戦争ドラマでも)戦時中の暮らしがただ描かれた作品はそう多くないので、必然的に戦前戦後背景ベースが多いNHK朝の連続テレビ小説の数々が頭に浮かぶ。

主役のすずさんの中の人も、かつて朝ドラ『あまちゃん』の中の人だった。(その作品は現代ベースなので太平洋戦争は描かれていない)

広島から見知らぬ呉の家へ嫁ぐも、持ち前のフワフワした天然さで前向きに家事に勤しむヒロイン。 配給の少ない中、工夫して作る料理。 着物をバラしてして作るモンペスーツ。  

f:id:nakakuko:20161116045559j:plain f:id:nakakuko:20161116045607j:plain

生活の知恵、遠く嫁入った寂しさ、性格のきつい義姉、可愛い姪…… 前半はそんな朝ドラ要素満載である。 (そして、あのドラマでもこういう風に料理を描いてほしかったんだよねとか、お洒落モンペお洒落モンペとか、1人脳内で朝ドラ比較をするのだった笑2.gif)

「傘を1本持てきたか」「はい。」「さしてもいいか」

嫁入り前に「傘を持ってきたかと聞かれたら「はい」と答えなさい」と祖母から言われる すずさん。

そんな古風な言葉の風習と共に、見知らぬ土地に嫁ぐ、昭和初期の時代。

何だか良いよね。いや、よく知らない相手と結婚なんて今なら考えられないけれども、そういう時代がきちんと描かれていることがいいよね。

傘を「さす」のだから、考えてみれば直球よね…(ぃぃゃ…汗.gif)

先に起こる悲劇を考えると…

原作は未読だが「広島」が舞台ならば先に何が起こるか見る方も解っているわけである。

物語はすずさんの嫁としての悩みや複雑な恋心という心情ドラマとささやかな暮らしぶりが描かれるが、時は刻まれ次第に空襲映像が増えていく。

この空襲映像が圧巻であった。

綺麗で、そして恐ろしい。

この物語、別にアニメじゃなくて実写ドラマでいいんじゃないと思われる平凡な一家が題材になっているわけだが、この映像表現にアニメである意味が大いにあるのだ。

実写で描けば、ただ、凄いね酷いね、で終わってしまう空襲。
すずさんが絵描き人だからこそ広がるイメージ。

花火のように美しく現実味のない中で逃げ惑う。身の上に起きている事が信じられなかっただろう彼らの日常も、やがて否応なく戦火巻きこまれていく。そこからまたガラッと変わっていく色のない世界。

アニメーションだからこそ表現し得た登場人物の内面世界が描かれる。こんな空襲表現は初めて見た。

日付で表示される「その日」が近付く足音。

晴美さんと見る軍艦

 高台から晴美さんと軍港を見るシーンはこの作品の中で切なく痛く心に残る。
指さしては すずさんに説明していた軍艦好きの晴美さん。

「飛鷹」「隼鷹」「利根」「日向」「大和」そして「青葉」…。
沈没した艦もあれば大破した艦もある。

呉は軍港を持つがゆえに激しい空襲に遭った。
でも、そこで暮らす人たちはそれを受け入れていたんだね。

艦たちにとって呉は家だったから。
帰る場所だったから。そこで生きる人たちと同じだったから。

それ故に、玉音放送を聞くそれぞれの思いが、ただ辛い。

大破した「青葉」には、すずさんの想いを絡ませた複雑な事情もあった。
ラストに昇華されるその表現も素敵だった。

実は実写ドラマ化されてました(2011年・日本テレビ系列)

いや…全く覚えていなかったのだが、中盤の水原のシーンで「あれ何か知ってるこの話」と思い、ラストのとあるシーンでも「何か見た事ある気がする」と思い…。

帰宅してGoogleって解った。ドラマ化された物を見ていたのだった。2011年。

北川景子が すずさんだったらしい。(主役すらも忘れてた(笑))

  

 

ドラマのレビューも上がっておらず、ツイートしながら見ていた気がするがそのログも残っておらず、とにかく今ひとつなドラマだったという以外は全く記憶の彼方。

ただ終盤の下りがあまりにも唐突で意味が解らずモヤっと終わった記憶だけはあるので、この映画のおかげで何となく解決して良かった(笑)(そこに関しては後ほど のネタバレ欄で)

うん…
そう考えると実写も難しいという話なのかも知れず、ここまで豊かにこの世界を表現できたこのアニメスタッフはやはり素晴らしい。

能年玲奈さんが「のん」さんになっての初仕事

「のん」さん初仕事、ですよね(たぶん)。

実は、この作品、Twitterではそういう方向で盛り上がっている方も多かったので、個人的にはちょっと引いた目で見ていた。

当方は『あまちゃん』の大ファンだし、この人も達者な女優だと思っていた。もちろん嫌いではない。

けれども、中の人応援で盛り上がられると作品がいいのか彼女の復帰作だから騒がれているのかサッパリ解らなくなる。プライベートで何があろうが役者は役者であって、そっちの話題が先行するのはあまり好きではない。

元々アニメの中の人は、見た後にEDで「えっ、あの人だったの!?うわぁ気づかなかったぁ…」と驚かせてもらえるくらいが一番望ましい…というのが個人的な好み。

おかげさまで、冒頭しばらく彼女の顔ばかりチラついて集中できずにいたんですよね。もったいなかった(笑)

しかし、結果、この作品の のんさんは素晴らしかった。本当に素晴らしかった。恐らく知らなければ気づかずに見ていたと思うので、EDで名前を見てビックリしたかったです。笑.gif

日本昔話の市原悦子さんのようにフワッとした語り口。 これがコトリンゴの楽曲、そしてふんわりした絵柄と相まって全体を柔らかく包み広げる世界を造り上げていた。

『あまちゃん』の時にも役に入ると化ける人なんだなぁと思ってはいたが、本当に凄い人だったわ。

で、一度見て安心したので、今度は引っかかりなく2度目を観ようと思います。笑2.gif

声優さんたちもそうだが、映像表現、言葉、時世を描くための取材力、全て、近年作られる戦争映画の中で一番のリアリティを持って迫ってくる物があった。

アニメなのに…と思われる方もいらっしゃるだろうけれども、実写じゃ出来ない世界がアニメだと作れるのね。ファンタジーの中に散りばめられたリアルが恐怖と悲しみを訴えかけてくる。

この人たちが前を向いて暮らし続けた歴史の上に今の私たちがあるんだ 。
そう思えた。

キャラクターデザイン含め、色合いから演出まで、あまり好き嫌いを考えなくて済む可愛い作画。 恐らくアニメを敬遠し勝ちな人も取っつきやすいと思われる。

もちろん、明るくほのぼの…
だけのアニメではない。

けれども、これを観たら誰でも考えると思う。
淡々と生きていくことの大切さ。
生きていけることのありがたさ。

ぜひ。 

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すずさんが広島の街をスケッチする…
そのシーンから、もう切ない。

だって、これが失くなってしまう事は誰でも知っているからさ。

けれども、これをスケッチしていたその右手を失くすとは思わなかった。

しかも、可愛い晴美さんが持って行ってしまうとは思わなかった。

玉音放送に怒りと悲しみを隠しきれず地面に伏せて慟哭する。

最後の1人まで戦うんじゃなかったんかね!!

晴美の名を呼びながら泣く径子。
貰い泣いたわ。ずっと泣く事も忘れて生きて憎んで、逃げるのに精一杯だったんだもんね。

近年の朝ドラでは、玉音放送後は「やっと終わったわねーーふぅ」的な反応が型になっていて、負けて悔しいとか悲しいとか言って泣きわめくヒロインはほぼいない。(やっちゃいけない掟でもあるのか)

この人たちも戦っていたのだと。
まさに耐え難きを耐え忍びがたきを忍び、それでも国のためと信じて踏ん張る事で生きていたのだと。納得できるシーンだった。

戦に負けて。
「人殺しである」という思いを背負い、腕を失くして家族の世話になり、それでも生きて行かなくてはならなくて。

そこからも、暮らしは淡々と始まる。

広島の家族は死んだ。
大切な妹だけがかろうじて生き残った。

兄は骨も残らなかった。
だから、きっと死んでない。

確実に残ったのは、呉の家族と夫の愛。

生きていかなければ暴力に屈したことになる。
だから、暮らしを紡ぎ続けていく。

失った子供の代わりに、広島で新しい命を拾った。
みんなで生きていくんだね。

上に書いた実写ドラマ版では、広島のこの女の子(芦田愛菜ちゃんだったのね)の登場がものすごく唐突で。

いつの間にか広島のベンチで横に居て、いつの間にか呉に居るんだよね。
下手したら妄想なのかと思うくらい。笑.gif

たぶん拾ったんだろうとは思ったものの最後まで意味解らず終わったので、この映画でどういう子なのか理解できて良かったわ(笑)

この子はこの物語の未来を描く重要な存在じゃないか。

おそらく、すずさんと周作さんには子供が出来ず、この子は2人の未来を繋ぐのだろう。径子さんにとっては晴美さんの代りに生きる希望となるだろう。

それは血の繋がりではなく。
淡々と普通の暮らしを紡いでいくことが未来へ繋がるんだ。

ふんわりした絵で。
柔らかい言葉で。
強い意志を訴えかけてくる。

この世界の片隅で
素敵な作品と出会えて良かった。

『この世界の片隅に』公式サイト

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2016年に見た日本公開映画を全部ベストランキングしてみた(日本映画篇)

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ものすごく今さらで、今年は(もう今年じゃないし)止めようかとも思ったのですが、何だかブログ的に閉まらないので今さら2016年度のベストを出してみた。邦画篇です。

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まずは、今さらスイマセンが日本インターネット映画大賞への投票フォーマットから。(今さらばっか(笑))

日本映画部門投票

[作品賞投票ルール(抄)]
■選出作品は3作品以上5作品まで
■選出作品は2015年1月~2016年12月公開作品
■1回の鑑賞料金(通常、3D作品、4DX作品、字幕、オムニバス等)で1作品
■持ち点合計は15点
■順位で決める場合は1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点を基礎点
■作品数で選ぶ場合は3作品各5点、4作品各3.75点、5作品各3点
■自由に点数を付ける場合は1点単位(小数点は無効)とし1作品最大点数は10点まで可能
■各部門賞に投票できるのは個人のみ
■ニューフェイスブレイク賞は男優か女優個人のみ
■音楽賞は作品名で投票
■私(ユーザー名)が選ぶ○×賞は日本映画外国映画は問いません
■日本映画の作品賞もしくは外国映画の作品賞に3作品以上の投票を有効票
■以上のルール満たさない場合は賞の一部を無効
—————————————————————–

日本映画

【作品賞】(3本以上5本まで)順位(点数記入なし)
1位  「シン・ゴジラ」    点
2位  「君の名は。」    点
3位  「怒り」    点
4位  「永い言い訳」    点
5位  「ちはやふる 上の句」    点
【監督賞】
[庵野秀明]
【最優秀男優賞】
[三浦友和]
【最優秀女優賞】
[広瀬すず]

【ニューフェイスブレイク賞】
[織田梨沙]
【音楽賞】
「ちはやふる 上の句」
—————————————————————–

この内容(以下の投票を含む)をWEBに転載することに同意する。

以上

—————————————————————–

では。
以下は2016年劇場公開された日本映画の全部ランキングです。
(あ、もちろん観た分だけです)

あくまでも一個人ブログの私感であり、ただのイベントです。
ご了解くださいませ。

レビューが遅れまくり(あるいはサボリまくり)で申し訳ありません。笑.gif

 

2016年(2015年12月分含む)・劇場公開あるいは制作された映画ランキング

(★はリンク先にレビューがあります。☆は未レビューです。)

・日本映画(50本)

1 ☆シン・ゴジラ

2 君の名は。

3 ☆怒り

4 ☆永い言い訳

5 ちはやふる 上の句

6 葛城事件

7 この世界の片隅に

8 ☆何者
9 日本で一番悪い奴ら
10 ☆ディストラクション・ベイビーズ

11 ☆海よりもまだ深く
12 ☆後妻業の女
13 ★残穢 住んではいけない部屋
14 ★アイアムアヒーロー
15 ☆ちはやふる 下の句
16 ★ヒメアノ~ル
17 ★家族はつらいよ
18 ☆湯を沸かすほどの熱い愛
19 ☆太陽の蓋
20 ★二重生活

21 ★クリーピー 偽りの隣人
22 ★64 ロクヨン 前編
23 ☆モヒカン故郷に帰る
24 ☆続・深夜食堂
25 ☆海賊とよばれた男
26 ★TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ
27 ☆ピンクとグレー
28 ☆殿、利息でござる!
29 ★ミュージアム
30 ★星ガ丘ワンダーランド

31 ★オケ老人!
32 ☆超高速!参勤交代 リターンズ
33 ☆闇金ウシジマくん Part3
34 ☆闇金ウシジマくん ザ・ファイナル
35 ★僕だけがいない街
36 ★64 ロクヨン 後編
37 ★あやしい彼女
38 ★ボクの妻と結婚してください。
39 ☆少女
40 ☆土竜の唄 香港狂騒曲

41 ☆ぼくのおじさん
42 ☆十字架
43 ★信長協奏曲
44 ☆疾風ロンド
45 ★エヴェレスト  神々の山嶺
46 ☆デスノート Light up the NEW world
47 ★貞子vs伽椰子
48 ☆秘密 THE TOP SECRET
49 ☆ライチ☆光クラブ
50 ★のぞきめ

 

おまけ 2015年以前公開のDVD・テレビ観賞映画

(リストのみです。ランキングはしません)

・日本映画(8本)

☆ラブ&ピース(3.5/★★★★★)
☆明烏 あけがらす(3/★★★★★)
★この国の空(3/★★★★★)
☆百円の恋(4/★★★★★)
★合葬(3.5/★★★★★)
★罪の余白(2.5/★★★★★)
☆野火(4/★★★★★)
★ディアーディアー(3.5/★★★★★)

合葬 [ 柳楽優弥 ]
価格:3693円(税込、送料無料)

 

ディアーディアー [ 中村ゆり ]
価格:4104円(税込、送料無料)

 

(計: 58本)

雑感

正直、18から下は5段階だと3.5くらいから緩やかに下っていく…という感じで大きく点差があるわけではないです。

2016年度は邦画は本当に素晴らしいものが多くて、35位くらいまでは他の年ならベスト10に入るのでは…と思うくらいです。

その中で「ゴジラにも特撮映画にも特に思い入れはねぇよ」という気持ちを「観てみたら実はゴジラのためのゴジラ映画じゃなかったーー!!」という意外性ではね除けた「シン・ゴジラ」

と、「高校生の入れ替わり萌えとかどうでもええわ」という気持ちを「ただの恋愛萌えアニメじゃなかったーーー!!」という意外性ではね除けた「君の名は。」

この2本は大好き。この2本と「ちはや」が今年劇場でリピートした邦画でした。

に…2017年の目標は出来る限りレビューをUPすることですっ!
今年もよろしくお願い致します~

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2016年に見た日本公開映画を全部ベストランキングしてみた(外国語映画篇)

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ものすごく今さらで、今年は(もう今年じゃないし)止めようかとも思ったのですが、何だかブログ的に閉まらないので今さら2016年度のベストを出してみた。外国語映画(洋画など)篇です。

cinema.jpg

まずは、今さらスイマセンが日本インターネット映画大賞への投票フォーマットから。

外国語映画部門投票

[作品賞投票ルール(抄)]

■選出作品は3作品以上5作品まで
■選出作品は2015年1月~2016年12月公開作品
■1回の鑑賞料金(通常、3D作品、4DX作品、字幕、オムニバス等)で1作品
■持ち点合計は15点
■順位で決める場合は1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点を基礎点
■作品数で選ぶ場合は3作品各5点、4作品各3.75点、5作品各3点
■自由に点数を付ける場合は1点単位(小数点は無効)とし1作品最大点数は10点まで可能
■各部門賞に投票できるのは個人のみ
■ニューフェイスブレイク賞は男優か女優個人のみ
■音楽賞は作品名で投票
■私(ユーザー名)が選ぶ○×賞は日本映画外国映画は問いません
■日本映画の作品賞もしくは外国映画の作品賞に3作品以上の投票を有効票
■以上のルール満たさない場合は賞の一部を無効
—————————————————————–

外国語映画

【作品賞】(3本以上5本まで)順位(点数記入なし)
1位  「リリーのすべて」    点
2位  「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」    点
3位  「サウルの息子」    点
4位  「レヴェナント 蘇えりし者」    点
5位  「PK」    点

【監督賞】
[トム・フーパー]

【最優秀男優賞】
[エディ・レッドメイン]

【最優秀女優賞】
[アヌシュカ・シャルマ]

【ニューフェイスブレイク賞】
[ジェイコブ・トレンブレイ]

【音楽賞】
「リリーのすべて」

—————————————————————–

この内容(以下の投票を含む)をWEBに転載することに同意する。

以上

—————————————————————–

では。
以下は2016年劇場公開された外国語映画の全部ランキングです。
(あ、もちろん観た分だけです)

あくまでも一個人ブログの私感であり、ただのイベントです。
ご了解くださいませ。

レビューが遅れまくり(あるいはサボリまくり)で申し訳ありません。笑.gif

2016年(2015年12月分含む)・劇場公開あるいは制作された映画ランキング

(★はリンク先にレビューがあります。☆は未レビューです。)

・外国語映画(39本)

1 ☆リリーのすべて

2 ☆ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

3 サウルの息子

4 ☆レヴェナント 蘇えりし者

5 ☆PK

6 ☆オデッセイ
7 ☆帰ってきたヒトラー
8 ★ルーム
9 ☆ボーダーライン
10 ☆ハドソン川の奇跡

11 ☆スポットライト 世紀のスクープ
12 ☆ブリッジ・オブ・スパイ
13 ★アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち
14 ★マネー・ショート 華麗なる大逆転
16 ☆アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
17 ☆ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
18 ★カルテル・ランド
19 ☆ドリーム ホーム 99%を操る男たち
20 ☆王の運命 歴史を変えた八日間

21 ☆消えた声が、その名を呼ぶ
22 ☆最愛の子
23 ★マジカル・ガール
24 ☆殺されたミンジュ
25 ☆グランドフィナーレ
26 ☆ロブスター
27 ☆ダゲレオタイプの女
28 ☆インフェルノ
29 ☆ブラック・スキャンダル
30 ★ターザン:REBORN

31 ☆パレス・ダウン
32 ★アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅
33 ☆京城学校 消えた少女たち
34 ☆ザ・ボーイ 人形少年の館
35 ★マネーモンスター
36 ★死霊館 エンフィールド事件
37 ☆ブレア・ウィッチ
38 ☆ザ・ハロウ 侵蝕
39 ★グッドナイト・マミー
40 ★ザ・ブリザード

 

おまけ 2015年以前公開のDVD・テレビ観賞映画

(リストのみです。ランキングはしません)

・外国語映画(13本)

☆真夜中のゆりかご(3/★★★★★)
★共犯(4/★★★★★)
★あの日のように抱きしめて(4/★★★★★)
★ふたつの名前を持つ少年(3/★★★★★)
★追憶と、踊りながら(3/★★★★★)
☆光州5・18(3/★★★★★)
★顔のないヒトラーたち(3.5/★★★★★)
クリムゾン・ピーク(3.1/★★★★★)
凍える牙(3.0/★★★★★)
フッテージ デス・スパイラル(3.1/★★★★★)
奴が嘲笑う(2.9/★★★★★)
笛を吹く男(3.1/★★★★★)
フューリー(3.3/★★★★★)

共犯 [ ウー・チエンホー[巫建和] ]
価格:3693円(税込、送料無料)

 

(計: 52本)

雑感

「リリーのすべて」がとにかく好きで!!
劇場で2回観て、DVDが出てからも何度も見て、これ上げるまでに何回見たか解らないです(笑)

何に憑りつかれているのかは自分でも解らないのですが、毎回、しみじみと寂しく温かいラストを味わいます。(なのにレビューは書けてないっ)

音楽も…アレクサンドル・デスプラさんの曲って本当に何を見ても作品を何倍も上げるよなぁと思います。

「ファンタスティック・ビースト」は、「リリー」でエディを好きになりすぎたのでこの位置にあるって気もします(笑)

けれども、決してあの作品の中のリリー・エルベが好きってわけではないのがまた不思議(笑)

「サウルの息子」は、臨場感がハンパなく、自分が痛めつけられたり追われたりしている感覚が久々に「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を思い出しましたね。自分自身が死んだ感覚。

決して楽しくもないし感動するわけでもないのですが、映像が自分の一部になったような気持悪さと痛みがありました。

「レヴェナント」もそれと似たような臨場感がありました。「PK」は、とにかく好き

外国語映画も邦画と同じく、ランキングしたと言っても特に点差はないです。2016年は名作に恵まれた年でした。

中でワーストの方にホラーが集まるというのは、やはり私の見方が悪いのかも(笑)

年々ちょっとやそっとじゃ恐いと思えなくなる強さ(爆)

に…2017年の目標は出来る限りレビューをUPすること!ですっ!
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2017年に見た日本公開映画を全部ベストランキングしてみた

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1年丸々更新していなかった状態ですが、1年ぶりの記事が昨年のベストってどうよ、と思いつつ、今年も(もう今年じゃないし)何だかブログ的に閉まらないので今さらながら2017年度のベストを出してみた。

今回はもう洋画も邦画もアジアンもヨーロッパもごた混ぜです。すいません。

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・順位はあくまでも私感です。(先ほどから見直しては何度も動かしているほど適当です)

・評点は上20位だけ掲載しました。(観賞後すぐにメモ的にレビューを入れている「Filmarks」https://filmarks.com/users/kukucoo の評点を引っ張っています。)

・一応、上10位と下の方だけ「Filmarks」レビューへのリンクを貼っています。

・「Filmarks」では基本的に評点は2.5を平均に、1点台と4.1点以上は滅多に付けないように心がけております。ご参考までに。

2017年に劇場公開された作品

  1.  哭声 コクソン(韓) 4.1
  2.  沈黙ーサイレンスー(米) 4.1
  3.  ラ・ラ・ランド(米) 4.0
  4.  ドリーム(米) 4.0
  5.  ダンケルク(英) 4.0
  6.  新感染 ファイナル・エクスプレス(韓) 4.0
  7.  LION ライオン 25年目のただいま(豪) 3.9
  8.  はじまりへの旅(米) 3.9
  9.  否定と肯定(米) 3.9
  10.  残像(ポーランド) 3.9
  11.  ハクソー・リッジ(米) 3.9
  12.  トンネル 闇に鎖(とざ)された男(韓) 3.9
  13.  ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(英) 3.9
  14.  THE NET 網に囚われた男(韓)(2017/DVD) 3.8
  15.  三度目の殺人(日) 3.8
  16.  ユリゴコロ(日) 3.7
  17.  散歩する侵略者(日) 3.7
  18.  猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(米) 3.7
  19.  愚行録(日) 3.6
  20.  彼らが本気で編むときは、(日) 3.6
  21.  静かなる叫び(カナダ)(2017/DVD)
  22.  彼女がその名を知らない鳥たち(日)
  23.  帝一の國(日)
  24.  光(河瀨直美監督)
  25.  IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(米)
  26.  ゲット・アウト(米)
  27.  バリー・シール/アメリカをはめた男(米)
  28.  メッセージ(米)
  29.  美しい星(日)
  30.  幼な子われらに生まれ(日)
  31.  家族はつらいよ2(日)
  32.  パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊(米)
  33.  エルネスト(日)
  34.  3月のライオン 前編(日)
  35.  美女と野獣(米)
  36.  スノーデン(米)
  37.  オリエント急行殺人事件(米)
  38.  関ヶ原(日)
  39.  ジェーン・ドウの解剖(英)
  40.  探偵はBARにいる3(日)
  41.  サバイバルファミリー(日)
  42.  奴隷の島、消えた人々(韓)(2017/DVD)
  43.  パトリオット・デイ(米)
  44.  ムーンライト(米)
  45.  ライフ(米)
  46.  亜人(日)
  47.  ジグソウ:ソウ・レガシー(米)
  48.  22年目の告白 私が殺人犯です(日)
  49.  アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発(米)(2017/DVD)
  50.  火花(日)
  51.  スター・ウォーズ/最後のジェダイ(米)
  52.  DESTINY 鎌倉ものがたり(日)
  53.  キセキ あの日のソビト(日)
  54.  アナベル 死霊人形の誕生(米)
  55.  8年越しの花嫁 奇跡の実話(日)
  56.  3月のライオン 後編(日)
  57.  マリアンヌ(米)
  58.  ラビング 愛という名前のふたり(英)
  59.  アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男(独)
  60.  アシュラ(韓)
  61.  銀魂(日)
  62.  忍びの国(日)
  63.  追憶(日)
  64.  光(大森立嗣監督)
  65.  花戦さ(日)
  66.  世界にひとつの金メダル(仏)
  67.  パッセンジャー(米)
  68.  スプリット(米)
  69.  アウトレイジ 最終章(日)
  70.  ミックス。(日)
  71.  ラストレシピ 麒麟の舌の記憶(日)
  72.  アイム・ノット・シリアルキラー(英)
  73.  破門 ふたりのヤクビョーガミ(日)
  74.  本能寺ホテル(日)
  75.  こどもつかい(日)
  76.  東京喰種 トーキョーグール(日)
  77.  マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓)
  78.  暗黒女子(日)
  79.  サクラダリセット 前篇(日)
  80.  ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章(日)
  81.  きみの声をとどけたい(日)
  82.  ヒトラー最後の代理人( イスラエル)(2017/DVD)
  83.  メアリと魔女の花(日)

2017年以前に公開された作品

(順不同)

  • インビテーション/不吉な招待状(米)(2015/DVD) 2.9
  • ザ・ギフト(米)(2015/DVD) 3.3
  • 神様の思し召し(伊)(2015/DVD) 3.2
  • 屍憶 SHIOKU(台)(2015/DVD) 3.1
  • イレブン・ミニッツ(ポーランド)(2015/DVD) 2.9
  • ニュースの真相(米)(2016/DVD) 3.9
  • ミモザの島に消えた母(仏)(2015/DVD) 3.3
  • 奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ(仏)(2014/DVD) 3.8
  • セトウツミ(日)(2016/DVD) 3.1
  • 疑惑のチャンピオン(英)(2016/DVD) 3.1
  • ディストラクション・ベイビーズ(日)(2016/DVD) 3.5
  • 京城学校 消えた少女たち(韓)(2015/DVD) 3.0
  • グランドフィナーレ(伊)(2015/DVD) 3.0
  • 十字架(日)(2015/DVD) 2.9
  • 検事フリッツ・バウアー ナチスを追い詰めた男(独)(2016/DVD) 3.0
  • ドント・ブリーズ(米)(2016/DVD) 3.0
  • エル・クラン(アルゼンチン)(2015/DVD) 3.1
  • 箱入り息子の恋(日)(2013/TV) 3.1
  • メトロ42(米)(2012/TV) 2.8
  • ミニオンズ(米)(2015/TV) 3.4
  • 7500(米)(2013/TV) 2.5

2017年度公開  邦画  45 外国語 38
2017年以前公開 邦画  4  外国語 18

計 105本

雑感

基本的にそういう傾向はあるのですが、宗教と運命……が、奇跡のように神秘的に残酷に描かれている作品が好きなのだと思います。上の2作はまさにそうですね。

「哭声」は、劇場で2回見て、DVDを2回レンタルして、ついに購入しました(どんだけ好きなんだ(笑)) 基本はホラーですが、神と悪魔を間違い、見た目と伝聞に惑わされる人間の業がバシバシ伝わってくる作品でした。

「沈黙」にも同じような気持ちでハマりました。

「ラ・ラ・ランド」は、もう単純にただただ大好きです。

今、見直して、2017年もたくさん素敵な映画と出会えたなぁとしみじみ感謝し……

2018年は、ちゃんとブログ書こうよって思ってます……。

サーバーを引っ越す予定があるので(サイトアドレスはこのままです)、それに合わせて「Filmarks」から短観を引っ張ってこようかなとか、色々と考えてはいます。はい。

こんなサボリ具合ですが、今年もよろしくお願い致します

おまけ。

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★前田有一の超映画批評★

『死霊館のシスター』アナベル人形前日譚

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死霊館のシスター

原題 : ~ The Nun ~

『死霊館のシスター』感想

作品情報

監督・キャスト

監督: コリン・ハーディ
キャスト: タイッサ・ファーミガ、デミアン・ビチル、シャーロット・ホープ、リリ・ボーダン、ボニー・アーロンズ、イングリッド・ビス

日本公開日

公開: 2018年9月21日

レビュー

☆☆☆

劇場観賞: 2018年9月26日

 

ねえねえ、なんで一人で行動するのさせるのないわぁ。ないわーー。

◆あらすじ
1952 年、ルーマニアの修道院でひとりのシスターが自ら命を絶つ。不可解な点が多いこの事件の真相を探るため、教会はバーク神父とシスターの見習いアイリーンを修道院へ派遣する。二人は事件を調査していくにつれ、この修道院に隠された想像を絶する秘密へとたどりつく。バーク神父とアイリーンは、決して関わってはいけない恐るべき存在“悪魔のシスター”と対峙することになる―。(Filmarksより引用)

 

アナベルちゃんのいない『死霊館』前日譚。制作はこのシリーズでもおなじみジェームズ・ワン。

個人的に「調査の切っ掛け」が恐い

ホラーが恐いか恐くないかというのは、観客の苦手描写が劇中にあるかどうかも大きいと思うのですよ。
 
以前からたびたび書いていますが、私はシスターの「あの」遺体描写が本当に嫌いなんですよ。心から恐い「だからこの映画が恐かった」と言ってしまっても間違いじゃないと思われます。
 

そして、劇場がね。……とても空いていて、前の方に席を取り過ぎて、ど真ん中で1人だったので……2Dだったけれどもスクリーンの部屋の中に居る感ハンパ無かったのです。つまり、めちゃめちゃ恐かったです!!

いや、ツッコみ所もハンパ無かったけれど。

指の間から見つつツッコむという……(笑)

上映時間96分

いわゆる、あっちからこっちからワッッ!と出てくるお化け屋敷系ホラーでした。
 
上映時間が96分と短いのも、ジェットコースター的に緊張感が途切れなくて良かったと思っています。

『死霊館』とはちょっと違うかな

シリーズとして見た場合、一番初めの切っ掛けの話になるようですが、これはちょっと違うんじゃないかな……とは思います。
 
まぁ、つまり、後々の話はこれを呼び出しているわけですから、違ってもいいのでしょう。
 
自分は元々エクソシスト系に恐さを見い出せない方なので、こちらの方がまだ好きかも知れないです。(ただし、真実味には欠けたと思います)

「記憶探偵」のタイッサ・ファーミガが可愛い

『記憶探偵と鍵のかかった少女』のタイッサ・ファーミガさんは相変わらず可愛い
 
このシリーズではずっとサイコ先生ロレイン・ウォーレンを演じているヴェラ・ファーミガさんの妹なのだそうで。初めて知った。姉妹で清楚な美人系。
 『死霊館』ヴェラ・ファーミガ
 

時代が違うので、お姉さんは今回はご出演はありません。(実は、無く、も無い)
 

え、そこでお着替えとか色々とツッコみはあるものの、この映画に恐さを見い出せなかった方はタイッサさんの可愛さを楽しみましょう。白も黒もイケるぜ。
 

何だか雑な神父の行動にツッコみつつ、巨大なお化け屋敷ゲームを楽しむ1本。
 
何度も、うわっっ!!と言います。それは保証する。

 
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以下ネタバレ感想

これは実話なの?

実話だ実話だと言われているこのシリーズですが、超常現象研究家のエド&ロレイン・ウォーレン夫妻に持ち込まれた怪奇現象をドラマ仕立てにしていることは真実のようです。
 

しかし、それと今回の作品は無関係……完全創作らしいです。
 

ヴァチカンにこんな事件の1つや2つは隠されていても不思議はない気はしますね。

バーク神父が言っていた通り、きな臭そうな感じ。

 
『死霊館のシスター』感想 仲間たち

しかし、バーク神父とは一体何だったのでしょうか。

役に立たないもほどがあるだろ……。

案内係の一般人、フレンチの方がよほど頼もしいじゃん。

私ゃ、あの、墓に閉じ込められるシーンで早くも出番終了かと思っちゃったよ。
 

しかし、上にも書きましたが、冒頭の首吊り死体と、もう一つ恐かったのはこの墓のシーン。
 
墓の鈴は日本の「即身仏」(生きたまま土の下で瞑想してミイラ化するという究極の修行。生きている間は土の下で鈴の音がしたという)を思い起こさせられ、これも以前から恐かったので、本当に泣きそうでした。神父のバカバカ、迂闊者めーー
 

はい……

個人的にものすごく怖かったシーンは前半で終わりました。

後は音やババーーーンにビクビクしていただけです。何度、シムラ後ろーーー!!と心で叫んだことか。

 

まぁ、世界観は好きだったので(そしてタイッサ・ファーミガが可愛かったので)劇場で観る価値はありました。

 

お化け屋敷系の中では好きな方。

 

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・象のロケット

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『散り椿』岡田准一の本気殺陣

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散り椿

散り椿 感想

作品情報

監督・キャスト

監督: 木村大作
キャスト: 岡田准一、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子、緒形直人、新井浩文、柳楽優弥、芳根京子、駿河太郎、渡辺大、石橋蓮司、富司純子、奥田瑛二

日本公開日

公開: 2018年9月28日

レビュー

☆☆☆

劇場観賞: 2018年10月3日

 

正しく岡田准一の殺陣を見るための作品である。木村大作先生が映し出す美しい風景をバックにあの腰の低い構えを据えた殺陣シーン……ゾクゾクする。
 

◆あらすじ
享保15年。かつて藩の不正を訴え出たが認められず、故郷・扇野藩を出た瓜生新兵衛(岡田准一)は、連れ添い続けた妻・篠(麻生久美子)が病に倒れた折、彼女から最期の願いを託される。
「采女様を助けていただきたいのです……」と。
采女(西島秀俊)とは、平山道場・四天王の一人で新兵衛にとって良き友であったが、
二人には新兵衛の離郷に関わる大きな因縁があったのだ。
篠の願いと藩の不正事件の真相を突き…(Filmarksより引用)

 

実物の映像美

原作は葉室麟の小説『散り椿』
 

この作品の何が見どころと聞かれれば、木村大作のカメラ……と言われなくても「美」である。
 

薄灰色の雪景色で動くビリジアンブルーの人影。

濃い緑に浮かぶ自然色の花々。

貧乏暮しが反映されて派手さのない女性陣の着物にも渋みある配色。
 

地味で自然な美しさ。
侘び寂びある、まさに時代劇の美しさだった。
 

それを堪能するだけでも、価値あるかと。

岡田せんせーーの本気殺陣

この作品の殺陣に全面的に関わっておられる岡田准一先生……もう、本当にアイドルだとかそんな枠は超えたね……。
 

撮影初日に話を聞くと、彼は時代劇が伝統的に作り上げてきた見せる殺陣と、武術家が観ても納得できる理にかなった“武”としての殺陣のバランスを考えて、今回の殺陣を作り上げていければと言っていた。(公式サイト)

『散り椿』感想 岡田准一の殺陣
 

その殺陣は「きゃあ、岡田くん、カッコいい」などというものではなく、腰を落として狙っていく本気の殺る気殺陣だった。むしろ恐い。でも美しい。

ネタバレだけど馬を止めるシーンは見て……

これだけは見ていただきたいので、つい……。
 
かなり初めの方で出てくるのだけれど、暴れ馬を止める場面がありまして。
 
ああ、これ、絶対に主人公が止めに現れるよな。どこから出て来るんだろう、とボーーって見ていたら、あり得ない登場の仕方してまして……。
 
ええっ!と言ってしまったわ。『呪怨』のトシオくんがあり得ない所から湧いてきた時くらい驚きました。ほんと(笑)
 
一体、どこまで行くのだろう、この人は……。

キャスト

他のキャストに関しても、もう日本に欠かせないアクションスターになった西島さん、出番は少ないもののストーリー全体に影響を与え続ける美しい麻生久美子さん、凛とした美しさと所作で印象に残る黒木華さん……と安定の豪華さ。
 
悪い奥田瑛二も定番になりつつあり、ちょっと面白かった。
 
テレビ時代劇を色々と見る者にとっては、「その若殿さまじゃ参勤交代はさぞかし苦労したじゃろう」とか、「あんたまたそんな役……」とか、色々と被る所があり、そういう見方でもまた面白い。

ストーリーは恋愛もの

……必殺アクションに反しまして。
 

ストーリーの方は意外なくらい乙女だった。

 

正直、それはないやろぉ……と思ったし、「初めから言っとけよ」と思ったし、ニシジ、それじゃス…(略)

 

それでも
 

そういう部分も重厚な映像と音楽に持って行かれて重々しくなってしまうから、凄い。

 

これも手練れのワザ。
 
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以下ネタバレ感想

采女……それじゃストーカーだよ……。
 

篠の気持ちがよく分らない。
 
ストーカーに情けを掛け、死を前にして助けてやってくれと頼む。夫は誤解するも、頑張って妻の願いを叶えた。

しかし、モヤモヤは解けず……

そのあげくの果てが、あの散り椿の前の立ち合い(泣)

 

そして、篠殿が愛していたのはお前だったのだよと文を見せられ、なんだ、そうだったのか……いや、もっと早く出して、それ!!

 

石田玄蕃もね、寺では「こいつに関わるな。お前たちに勝てる相手ではない。鬼か。」と逃がしたくせに、最後はどうしてあんな少ない手勢で勝てると思っていたんだろう。

 

色々と抜けすぎていてビックリした。

 

そして、ラストの殿さまは、あれ

「不正を正してくれた礼として新兵衛を召し抱える」
「いやいや拙者は旅に出るでござる」

という部分を割愛して、あのやり取りになってるんですよね

旅立つ新兵衛には、もちろん、一生食っていけるほどの褒美は下さってるんですよね……。

 

そういう所ばかり気になってしまった(笑)
 

まあまあ、それでも、美と殺陣と侘び寂びは堪能できたので。時代劇として素晴らしい出来。

 

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